ファンシー土産と空飛ぶ円盤と新選組/山下メロ・平成UMAみやげ
バブルをまたいだ平成は、いわゆるオカルト事象がやんわりと世に受け入れられていた時代でもある。「ファンシー絵みやげ」研究家の山下メロが、当時を彩った”UMAみやげ”の世界をご案内。
今回は、UMAでなく「UFO編」。空飛ぶ円盤といえば、やはり、あの形ですね。
文・写真=山下メロ
UFOと空飛ぶ円盤とファンシー絵みやげ
6月24日はUFOの日。この日はケネス・アーノルド事件の起こった日です。1947年にアメリカのワシントン州でケネス・アーノルドがUFOに遭遇したのです。
これまで、平成レトロ時代のUMAに関する観光地みやげについて紹介しましたが、しばしUFOに関する観光地みやげについて振り返っていきたいと思います。
未確認飛行物体(unidentified flying object)の略称であるUFO。日本ではこのUFOを主に「ユーフォ―」と読みます。日清のカップ焼きそば「UFO」や電気グルーヴのアルバム『UFO』など、さまざまな分野で浸透している名称です。あらゆる未確認飛行物体の呼称でありながらも、主に科学技術に優れた宇宙人が地球の文明を偵察にやってくる際の宇宙船と認識している人が多いんじゃないでしょうか。
中でも有名なのは、空飛ぶ円盤(フライングソーサー)の形をしたUFOで、特にジョージ・アダムスキーが遭遇したものが一般的です。
1980年代から1990年代になっても矢追純一さんによるUFOを扱ったテレビ特番が定期的に放映され、『ドラえもん』や『パーマン』をはじめとした児童・少年SF漫画やアニメにもUFOは登場しました。
そして、同時代に観光地を席捲していた、「子どもが夢中になるものを取り入れがち」なファンシー絵みやげにおいても、UFOが登場してくるのです。
UFOといえばアダムスキー型
まずはこんな商品があります。
こちらは観光地で売られている宇宙人キャラクターのミラーなのですが、右下にアダムスキー型のUFOが描かれています。そして、右上を見ると、ちゃんと二頭身の宇宙人キャラクターが右上にチョコンと座っています。宇宙人によくあるアンテナが、左右非対称で、右側は鬼のツノのようになっているのは珍しいかもしれません。
裏側に吸盤がついていて、自動車の車内に補助的なルームミラーを増設できるアイテムなのです。当時は自動車の普及と高速道路網の発達により、自家用車で観光地へ出かけることが増えていました。そのため、観光地の土産店でもマイカーをカスタムするためのアイテムを土産品としていたのです。
後ろから見ると、宇宙人がマントを付けているのがわかります。吸盤に最初から角度がついていて、さらにミラーの角度が自在に変えられるようになっています。バブル経済期らしく、しっかりお金をかけて作られているのが分かりますね。
さて、宇宙人やUFOそのもののキャラクターを挙げていくとキリがないのですが、歴史上の人物とコラボしているという例がありまして、非常に珍しいので紹介したいと思います。それがこちらです。
先日、中銀カプセルタワーの特徴的な丸窓に装飾させていただくという機会を得た新選組のファンシー絵みやげ暖簾(のれん)。修学旅行の定番である京都の、さらに定番のキャラクターが新選組ですが、左上をご覧ください。
なんと、京都の上空にアダムスキー型UFOが飛んでいます!!
幕末の京都にUFOが飛来していたわけですね。驚きです。
そして、新選組の列に目をやると……
なんと「未知とのソウグウ」を読んでいる!!!
これは1978年日本公開のスティーブン・スピルバーグ監督のUFO映画『未知との遭遇』でしょう。原作は無いようなので、映画のパンフかノベライズ版なのでしょうか。『鎌田行進曲』っぽい「THE新撰組行進曲」も含めて、時代を超越したイラストで、この暖簾そのものの映画化が期待されます。
では、また次回。
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