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世界遺産登録へ! 日本のストーンヘンジの「みやげ」事情/山下メロ・平成UMAみやげ

縄文遺跡が世界遺産に! 「ファンシー絵みやげ」研究家の山下メロが、ストーンヘンジの「みやげ」事情を解説する。

文・写真=山下メロ #平成UMAみやげ

北海道・北東北の縄文遺跡群が世界へ

 前回は古代宇宙飛行士説で重要な遮光器土偶にまつわるお土産品として、青森EXPOのシャコちゃんと、さらには遮光器土偶にまつわる場所として木造駅のシャコちゃんを紹介いたしました。

 そんな中、その遮光器土偶が出土した青森県・亀ヶ岡石器時代遺跡を含む
「北海道・北東北の縄文遺跡群」のユネスコ世界文化遺産の登録が確実となったというニュースが飛び込んできました。今月(2021年7月)行われる世界遺産委員会で正式に登録されます。

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青森県・亀ヶ岡石器時代遺跡の遮光器土偶のシャコちゃん夢の競演。

 前回から私が主に研究している「ファンシー絵みやげ」の保護活動として
観光地の土産店を調査しているついでに、シャコちゃんにまつわる青森県のアスパムなどを歴訪していたのですが、最初のほうに訪れたのが十和田湖の近く、秋田県の大湯温泉でした。

 温泉地の土産店を調査していたところ、どうも見かける「大湯環状列石」の看板。何事かと思い、そして、土産店もあるかもしれないと思い現地へ行くと、まさに「祝 世界文化遺産推薦決定」の文字が。
 まだこの頃には登録が確実のニュースが出るより少し前でした。

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 しかし、なんでまたムーで縄文遺跡の話をしているのかと。
 前回は古代宇宙飛行士説にまつわる遮光器土偶でしたが、今回はなんなのか。
「環状列石」の字面で分かる人は分かると思いますが、ここには日本で最大のストーンサークル万座遺跡があります。
 つまり「日本におけるストーンヘンジ的なもの」なのです。

 ストーンヘンジはイギリスの遺跡で、巨石を使ったストーンサークルの一種です。その整然とした配置には今も多くの謎が残されています。

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 そして、その世界的に有名なストーンヘンジよりも歴史が古いのが日本のストーンサークル。
 すでに1986年に世界文化遺産登録されたストーンヘンジに遅れること35年、とうとう日本最大のストーンサークルを含む大湯環状列石も世界遺産登録されるのです。

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こんなに大きい大湯環状列石の看板。

 大湯環状列石の近くには大湯ストーンサークル館という資料館があります。最初に紹介した世界文化遺産推薦の横断幕があったのも、この資料館です。

 驚くことに、大湯ストーンサークル館には、ファンシー絵みやげとは違うのですが、漫画風に描かれたキャラクターイラストが見つかっています。
それは道路沿いで見つけた施設を案内する看板に見ることができました。

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非常にカワイイ縄文人のイラスト看板。

 資料館のすぐそばで環状列石を見学することができます。
 見学していると、不穏に空が曇ってきました。天気予報通りですが。

 さて、記念撮影するのに成果を見せたいところです。しかし、大湯環状列石はおろか、大湯温泉のファンシー絵みやげも見つかっていません。そこでとりだしたのが、同じ縄文時代ということでこちらの巾着でした。

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なんとも脱力する「We are the JOMONJIN」の文字がお分かりいただけるだろうか。

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 ちなみに下にローマ字で書かれている通り、これは同じく世界遺産に推薦された「北海道・北東北の縄文遺跡群」のひとつ青森県・三内丸山遺跡のファンシー絵みやげ巾着なのです。ひとつ……というより、大湯環状列石と並んで1番最初に名前が挙がる代表的な遺跡です。

 しかし、ここは秋田県。三内丸山遺跡は遠く北の青森市、陸奥湾の近くに存在します。
 なぜ今所持しているのでしょうか……。

 それは……秋田県と青森県の県境。大湯からもほど近い十和田湖で売られていたのです。陸奥湾の近くから、あの八甲田山を超えて大湯のストーンサークルに引き寄せられたファンシー絵みやげ。

 謎は深まるばかりです。

 では、また次回。


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