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1.5kgの鰤を計画的に食べる - 3日目(加熱食編)

鰤食も3日目に突入。3日目はしっかり中まで火を通して食べる加熱食の日とした。それにしてもまだ全然飽きていない。

鰤の塩釜焼

部位は頭に近い背節を使った。加熱の手段というと、焼く、蒸す、煮る、揚げるが思いつく。私は最高にいい食材を手に入れた時の本気料理は「蒸し焼き」を作ることにしている。素材が持つ旨味を最もピュアに楽しめる蒸し焼きこそが、最も原始的にして最高の加熱方法じゃないかと思っているからだ。

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美しい…。この鱗のグラデーション、鱗を落とさないことでこうして3日目でも感動できるなんて思わなかった。
今回使った部位はこのあたり。

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なんとなくこの部位が魚の中でいっちゃんイイ部分なんじゃね?とか勝手に思っていて、「いっちゃんいい部分=シャトーブリアン」とか思っていたので、一緒に食べる家族に「いいかー!ここがいわゆるシャトーブリアンだ~!ブリだけに!!」とか言おうと思ったのだが、威張る前に一応、シャトーブリアンの位置を調べたら全然違った。言わなくてよかった…
シャトーブリアンはどっちかというと尻尾に近い方、つまり無理やり鰤に当てはめると前日食べたしゃぶしゃぶとかの部位ですね…

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シャトーブリアンの位置 - Wikipediaより

さて、まずはブロックの重さを計る。計ったら、重さに対して0.9%~1%の塩をまぶしておいておく。時間は約30分~1時間。塩は、鱗には特にまぶさなくていいので、身の部分にまぶす。(今回で言うと276×001=2.76g、三本指で3~4つまみくらいかな?)

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刺身にとてもおぼろ昆布が合ったので、おぼろ昆布でさらに包む。昆布のうまみを移すためと、塩釜部分から余計な塩分が入って送るのを防ぐためだ。

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こうして、こう

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なんかよくわからない物体になったけど、大丈夫。ここからさらに卵1個分の卵白と250gの塩を泡立てたもので包む。グラタン皿のようなものにクッキングシートを敷いて乗せると後処理も楽&塩釜の量も少なく済みます。

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オーブンを200℃で余熱し、200℃で20分焼き上げる。お酒でも飲んで待ちましょう…
スーパーに売っていた、クーパーズブリュワリーのスパークリングエール。瓶内二次発酵をしているのか、酵母がたっぷりと底に沈殿していた。暑い日に ぴったりの甘さとさわやかさ。おいしい。

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焼きあがった「鰤の塩釜焼」はこちら。

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なんと焼き上がり後、興奮しすぎてオーブンから出した後撮影し忘れていることが発覚…。割った後慌てて撮影しました。
ということでお酒飲んで待ったらダメです。焼きあがるまではオーブンの前で正座して待ちましょう。
さて、焼きあがっておぼろ昆布をよけたものがこちら。

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身が少し縮まっているけど、表面はしっとりとしている。見返してもよだれが…まずはシンプルにレモンと大葉で。好みでしょうゆを少したらし、おぼろ昆布と一緒に食べる。

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案の定、美味しい。蒸し焼きにしたことで香りが逃げず、閉じ込められている。鰤の香りが一番楽しめる料理かもしれない。今までの鰤のにおいではない。食感は身がしっとり&ほっこりしていて、絶妙なコンディションに仕上がった。やはり蒸し焼きの調理法は大正解だった。つけあわせのレモンもよかった。臭み消しのような存在でなく、とてもいいアクセントになってくれている。カボス、スダチあたりがあればより良いと思う。

ただ少し反省点としては、塩をまぶしてからおいて置く時間が若干短かったようだ。もうすこししっかり中まで塩分を行き渡した方がよかった。置き時間は10分ほどにしたのだけど、1時間くらい置いておいたほうがよかったかもしれない。

鰤のあら汁

さて、初日の調理からよけておいたあらを出そう。腹の骨のまわり、血合い、皮を鍋に入れて塩をまぶす。

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しばらく置いたら熱湯にくぐらせ、霜降りにする。臭みは無いので水で洗うことはせず、霜降りにしたらざるにあげておく。冷めたら手で身をほぐし、昆布だしに人参、大根、ゴボウなどの根野菜にキノコなどを入れて煮あがったら味噌を入れて完成。

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根野菜の風味と鰤のうまみが溶け合うような一品になった。腹身のあたりの脂が多い部分を使ったので、脂が十分に溶けだしている。骨から出る出汁は上品で、根野菜の素朴な香りを引き立たせるようだ。煮込んだことで身がほろほろになり、そこに染み込んだ脂と味噌が美味いのなんの。

これ、頭や中骨も欲しいなーと思い、販売元に尋ねたところ、半身(フィレ)の場合は処理の都合上、頭や中骨は同梱することができないそうだ。もし頭や中骨が欲しい場合は丸のまま注文するしかないそう。なるほど。

ということで、加熱編でした。いよいよ明日が最後。初日に仕込んだ鰤カマの粕漬けと、なめろうの残りを調理します!

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