むにみずべ 京都編02 大覚寺の龍頭鷁首舟
さて春の京都編始まります。今回は平安貴族のたしなみ。これ知っていますか?
English information below.
マロの家には池がある
どの家庭にもあるものと言えば。
少し前ならテレビ、テレビ離れが進む今は、冷蔵庫くらいでしょうか。
平安貴族達もみんなお家にあるものがありました。
池です。
平安貴族は、寝殿造(しんでんづくり)なるお屋敷に住み、その庭には池がありました。池があれば何をするか、当然舟を浮かべる訳です。
お家の庭に舟を浮かべ、雅楽を演奏させたり、歌を詠んだりしました。
その時に使う舟は絶対沈んで欲しくないので、しっかりと貴族たちは舟に工夫を凝らしました。
龍と鷁(げき)を掘った、龍頭鷁首舟です。
空を駆ける龍、巧みに水に潜る鷁
龍は飛びそうですから良いとして、
鷁(げき)は知らない方もいると思いますが、水難を避ける象徴として良く使われた空想上の鳥です。
なんか「巧みに水にもぐる」と書いてあり、それほぼ沈んでるじゃんという気もしますが、まぁ巧みなので何とかなるのでしょう。
ですが残念ながら、水難は絶対しないのに、舟に乗る平安貴族が歴史の表舞台から沈んでいき、この舟を見られる場所はほとんど無くなりました。
実は、京都の嵐山や奈良、平泉等ではお祭りの時に、龍頭鷁首舟に担当の方々が乗られるものがいくつかあります。
そんな中、今でも唯一誰もが龍頭鷁首舟に乗れちゃう場所。
それが大覚寺です。
嵯峨御所 大覚寺
御所と呼ぶからには、やはりあの方が居た場所でしょう。そうここは天皇の離宮として作られ、その後お寺になった場所です。
作り上げた嵯峨天皇の後、上皇の政治(院政)が行われたり、南北朝の合一がお寺の中であったりと、1000年以上に渡って歴代天皇家が少しずつ手を加え作り上げた場所です。
お堂も素晴らしい歴史を持っていますが、
やはり注目はその東側に広がる大沢池です。
雅すぎる龍頭鷁首舟の時間
大覚寺の隣、大沢池が今回のむにみずべ。周囲1kmもあり、甲子園球場がすっぽりと入るほどの大きさです。さらに実は今でも残る最古の庭池です。
そこに浮かぶのが、竜頭鷁首舟です。
年に2回だけ。春の華道祭と秋の観月の夕べのイベントの時だけ乗ることができます。
前に1人、後ろに2人の船頭さんが、ゆっくりと竹竿で漕ぎ、非常に優雅にゆるりと水面を滑り出します。
これがまた、人間の乗る乗り物で、
こんなにもゆっくりと動くのに、それが全く嫌ではなくむしろ気持ちがいいものが他にあるか、という圧倒的な雅さ。
今年2024年は桜が遅れ、大覚寺華道祭の4月中旬にもまだ咲いており、夢の共演も実現。
ずっと行きたかった平安の遊び。嵯峨天皇や藤原道長と同じ気持ちになれるでしょう。
今年はなんと明日、2024年4月14日まで。
ご紹介が遅れましたが、まだ間に合いますので
ぜひ駆け込んでください。
どんなに焦って行っても、きっとゆっくりと雅に受け入れてくれます。
Information
大覚寺の龍頭鷁首舟
Daikaku-ji O-sawa lake
Ryu-to gekisu boat cruise
The boat was used by Heian* Nobles for thier leisure, composing Japanese poem and playing Gagaku (court music) on the boat.
*Heian period was around 794-1185. “The tale of Genji” was written in this period.
You can enjoy the traditional super slow but super elegant boat cruise.
This is only one place where travelar can go on the cruise. The chance is only the events in April and October.
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