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むにみずべ 東京編02 外濠水上コンサート 奏

趣向を変えて、音楽系のむにみずべ、これ知ってますか?

テラスでの演奏をボートから聴く

全国で幾つか水上ステージなるものがあります。船の上での演奏を陸側の観覧席から観る感じです。だいぶテンションは上がるのですが、観る側の体験としては水上かどうか関係ない気がするなぁと、ちょびっと思う訳です。
そんな中遥かに水辺体験として唯一無二なのが、「観客側だけ船の上にいる」こちらのむにみずべ、水上コンサート奏なのです。手漕ぎボートに観客が乗り込み演奏を聴く。最高じゃないですか。


むにみずべのポイント

牛込濠とは

どんどんノ図牛込揚場丁 歌川広重 江戸後期
国立国会図書館デジタルコレクション
滝の奥が牛込濠

江戸城を取り囲む外濠として、遠く玉川上水の水が四谷から神田川に流れ込むのが牛込濠でした。
この牛込濠は、お隣の飯田濠が神田川舟運の終着点として舟が多数来ていたのに対し、牛込見附で仕切られていて、浮世絵でも見えるとおり、段差があり舟が入り込めない水面でした。

東京水上倶楽部

娯楽の少なかった都心に貴重な遊び場
逸見享 牛込見付 新東京百景 昭和9年(1929)
今ではドラマでもよく使われる素敵なレストラン

舟運が盛んだった時点でも静かな水面だった濠の横には、大正より続く歴史ある手漕ぎボート屋さん(東京水上倶楽部)が誕生しました。
今ではボート乗り場兼イタリア料理屋さんのCanal Cafeがあります。総武線や中央線が濠の中を走り抜ける横を、ボートで遊覧できる都心のオアシスです。
とても大好きな場所で、何かと行ってしまうせいで、休日に何度か友人に見つかり、ムニの出没情報が寄せられてしまいます。

濠を囲む学生の手作りイベント

奥にニョッキり見えるのが法政大学キャンパス
その下緑の中を総武線が走る

そんな濠の横にそびえ立つ法政大学こそこのイベントを生んだ立役者です。ムニも敬愛する水辺研究の第一人者たる法政大学の先生が立ち上げ、今でも法政大学他、東京理科大など濠の周囲の大学の方々が運営する、年に一回手作りの珠玉のイベントです。運営だけでなく演奏も大学のジャズサークルなどが出演し、とても気持ち良く夜がふけていきます。

都市の箱庭

街とは線路・道路・緑地で隔てられた都心の箱庭

観客側がボートに乗るなんて、他の場所でもどんどんやって欲しい素敵なアイデアですが、ここが歴史あるボート乗り場であるだけでなく、濠が深く、街と適度に縁が切れていて、かつ横を電車が通るので周辺住民との音問題も起きにくい。やはりここならではな、むにみずべと思います。

より面白く

このイベント大変面白く全世界の人々にお勧めなのですが、手漕ぎボートに3時間近く座るとなると色々と問題があります。
まずはトイレ、そしてドリンク等のサービスです。流石にトイレは陸に上がるしかないのですが、ドリンク等のサービスは水上で行えると非常に面白いと思いました。
ムニが参加した時はボート席参加が少なく、スタッフさん達が大変手厚くサービスしてくれました。イベント中に2杯付いてくるドリンクもボートにいると取りに行きづらいのですが、スタッフさんがボートで手渡ししてくれました。

なんだかタイの水上マーケットを思い出す舟同士で物を渡すという素敵な体験に、これはイベントのサービスにしても良いのではと思いました。なので観客用の舟にフードやドリンクをデリバリーできるようになると、より他には無い体験ができる気がします。

客も店も舟の上というタイの水上マーケット

こちらのむにみずべ、下記で体験できます

年1回9月頃のイベント
来年はぜひ行ってみてください!

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