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社会人が医学部に入学して感じたこと

 私はもともと製薬メーカーで医薬品の開発に携わってきました。仕事上,医師と関わることが多く,その影響もあってか医師を目指すことにしました。それから薬剤師を経験し,医学部に至ります。

社会経験:製薬企業と薬剤師

 薬剤師と製薬メーカーの業務では求められるものが異なると感じました。最も異なることは,製薬企業ではB to B(Business to Business:企業 対 企業)に対し,B to C(Business to Consumer:企業 対 消費者)に変わったことです。製薬メーカーでは最終顧客(患者)と関わることは一切なく,医師やその他の取引業者がメインでした。一方,薬剤師では患者と接する場面がほとんどです(医療従事者とのかかわりももちろんありますが)。接する相手が患者となると,改めていろいろな方がいると感じました。また,私自身,製薬メーカー時代の堅苦しい対応の仕方が抜けず,患者との距離を縮めるのに苦労しました。仕事が変われば求められるスキルや能力も異なると感じました。

勉強以外に大切なものがある

 そして医学部に入学し現在に至りますが,今までの経験をもとにして,医学部でいかに過ごすべきかについて考えさせられます。学生の本文は勉強といわれますが,勉強以外にもほかのさまざまな経験をすべきだと感じます。理由を主に2つ挙げます。

 1つ目は,薬剤師での臨床経験をもとに,座学と臨床のギャップを感じるから。もちろん,座学で学んだ内容が臨床に活かされるのはよくありますが,それ以上にわからないことが多くあります(私が勉強不足なのももちろんありますが…)。だからこそ勉強すべきでは?といわれるかもしれません。しかし,最初からすべての知識をカバーするような勉強は,膨大な時間の消費とストレスを溜めることになります。
ではどうすべきか?わからない場面を乗り越えるすべを持つことが重要だと感じます。先輩に聞くのももちろん,自分で調べようとすることを常に心がけることがポイントです。実臨床で経験を積みつつ必要な情報を習得する方が効率がいいように感じます。


 2つ目は,人は知識の豊富さよりも,人間性で人の良し悪しを判断するから。人間形成する時間のほうが,勉強より何倍も重要です。
医師を含む医療従事者はたくさんの人と関わる職業です。初めて会う方に健康の状態や医療について伝わるように説明しなければなりません。また,他の医療従事者とのコミュニケーションは必須です。薬剤師を経験して感じたことは,ただ薬学的な知識を持っていても,相手にそれが伝わらなければ意味がないということ。つまり,コミュケーション能力が非常に求められます。私自身,相手が必要とするタイミングで必要な情報を伝えることが難しく感じました。自分の言いたいことだけをただ話しても,相手からの信頼を失うことになってしまいます。

医学部をどう過ごすべきか

 個人的には,組織に属すことが重要だと感じます。バイト(社会経験)や部活動などで多くの人たちとかかわりを持つことです。その場での経験が,わからないことを克服することや人間性の形成に繋がると考えます。

多くの人たちとのかかわっていく中で,必ず悩みや課題が発生します。私自身もバイトや部活動での悩みの種は尽きません。そこでいかに乗り越えるか?それが自分自身を成長させてくれる,そして再び社会に出てからも役立つ重要なポイントだと思っています。

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