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日本の外交(RCEPに日本が署名:地球儀を俯瞰的に見る外交戦略)

国際情勢が目まぐるしく変わっている昨今、そしてアメリカ大統領の行方がまだ明確に分からない状況下で、私個人としては、アメリカ大統領がどっちになっても、日本は日本独自の戦略、考え方、そして将来ある日本にいる子供たちのために、より良い日本を作ることを考える必要があると思っています。

その中で、今日本がとっているポジションは、国際的に優勢なポジションをとっており、世界の自由貿易をリードしている大きな役割を担っていると考えています。

その理由を以下まとめていきます。

+ TPP締結
+ 日英貿易協定の締結
+ 日豪円滑化協定
+ 日米豪印外相会談(クワッド協定の確立準備)

TPP締結

まずこのTPP締結がなければ、今の日本の優勢的なポジションは取れませんでした。TPP締結直前、アメリカが突然抜ける発表した際に、それでも日本が中心になり、今のTPPをまとめあげた。

実際今のTPPの中心は日本であり、日本がいるからこそTPPに参加している国々は、この自由貿易の枠組みを信頼しています。

日英貿易協定の締結

ブレグジットがあり、イギリスはEUから脱退をしました。イギリスとしてはEUの自由貿易の枠組みから外れることになり、その後、どこと手を組むことが望ましいかといえば、現在世界で一番大きな貿易額のTPPを主導している日本との貿易協定は何がなんでもやっておきたい協定だったと思います。

実際、日本との貿易協定の協議は、とてもスピーディに行われ、かなり日本にとって優位な条件で結ばれていると言われています。そしてイギリスからすると、日英貿易協定の先にはTPP締結があり、TPPの枠組みが更に大きくなると思われます。

日豪円滑化協定

つい先日(2020年11月)に、コロナ禍にも関わらず、オーストラリア首相がわざわざ日本に来られ、菅首相と膝と膝を付き合わせた会合が開かれました。

オーストラリアからすると、今の中国に対して、先進国の中で、力のある大きな国と連携をとり、中国包囲網を確立する必要があると考えており、その一貫での協定だったと思います。

そしてこの協定があるからこそ、クワッド確立のお膳立てができたと思います。

日米豪印外相会談(クワッド協定の確立準備)

このクワッド構想は実際は第1次安倍内閣の頃から構想としてはあったようで、この構想が現実になろうとしています。

この協定は中国はとても脅威に感じており、中国の外相は、「アジア版NATOだ」と痛烈に批判していました。つまり中国が批判をしているということは中国にとっても、とても嫌なことで、中国の痛い所を突いているという意味になり、日本の戦略として、とても良かったと思います。

そしてここにきて、日本は中国が先導しているRCEPへの著名も行いました。これはある一部の方から、「なぜRCEPに入るんだ!」、「中国と貿易をして中国に得になるではないか!」と批判する方々もいます。

しかし実際はそうなるとは思えません。なぜなら、今回のRCEPは、世界の常識な自由貿易の枠組みとしては、とても陳腐で、TPPやEPAと比較すると貿易自由化率が極めて低いのです(TPPだと99%程度に対して、CREPは86%程度)。

そしてRCEPには日本、オーストラリア、ニュージランドも入っています。そして日本はインドがRCEPに入りやすくするような条件を入れ込んだ上での締結だったようです。

実際RCEPの貿易自由化率はTPPに比べ、とても低く本当の自由貿易を行おうとすると中国が一番嫌がる知的所有権、そして国有企業の民営化、金融等の自由化を行う必要が出てきます。

今ここで日本がRCEPに入ったことで中国に好き勝手にさせないように、歩を打てる、そしてそれは日本だけでなく、オーストラリア、ニュージランドも含めた民主主義陣営の力が大きなものになってきます(確かに現段階では、遅れを取っているように見受けられますが)。

その先、最終的にインドも含める形が構築できれば、ますます中国への包囲網が一つ一つ構築できると考えています。

日本は、やはり皆をまとめて、なるべく平等に、そして皆がメリットが出るような取り組みを作ることは得意分野だと思います(もちろんジャパンファーストを忘れては行けないですが)。まさにこれが日本の戦略だと思います。

そして現在、日本は世界の自由貿易の中心に存在していることは紛れもない事実であり、日本が考える戦略(日本にはそもそも、欧米のような差別や奴隷制度は存在していなかった)こそが、民主主義の根幹になっていると個人的に思っています。

アメリカがどうであれ、中国がどうであれ、日本は日本の戦略があり、それに向かって突き進む力、そして国民一人一人が国益を自分で考える力を再度養っていく必要があると最近、つくづく思います。



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