0004:実はこの世界の名前は
「人生」という視点から「生物」そのものの視点へ
では、「ここ」はどこなのでしょうか。
わしらが生まれ落ちたこの世界とは、どういう場所なのでしょうか。
このブログでは、人生はなぜ辛いのか、という話をするんですけど、一旦ちょっと視点を引いて、人生という視点から、命そのものに視点を移して、世界というものを考察してみましょう。
なぜなら、わしらは「人間」である以前に「生物」であるからです。生物全般が苦労していることがあるならば、わしらも当然、それに苦労しているのではないでしょうか。
生物から見た、この世界
わしら動物の体は、タンパク質を中心にできています。植物はセルロースでしたっけ?
植物は光合成でエネルギーを得て、ミネラルや有機肥料で肉体を構築します。
ですが、わしら動物は、植物や他の動物を捕食することでしか、エネルギーや肉体の材料を摂取することができません。
ここまでは、理科の知識ですよね? 当然汝らもご存知のことでしょう。
そして、すべての生物には、あるプログラムがなされています。本能と言う言い方もあります。
それはすなわち「できるだけ長く生きよ」という、生存本能です。
ですから当然の結果として、できるだけ死にたくない、と本能的に思うようにできています。
小さな虫ですら、ハエたたきで叩こうとすると逃げますよね。
植物でも、できるだけ食べられまいと、毒を持つもの、トゲを持つものと、色々な特徴を持っていたりします。
ここまでで、重要な点が一つ。
1:すべての生物は、死にたくない。
そしてもう一つ。
2:すべての生物は、他の生物を食べないと死ぬ。
2については、「えー!植物は?」とお思いの汝ら。植物の肥料となる有機物は、たいがい他の動植物の死骸や排泄物に由来します。ですので、あながち2は間違ってないとわしは思います。
1と2を、よく見比べてみてください。すごく、矛盾してません?
矛盾の世界。その名は・・・
つまり、この世界では常に、すごく矛盾した生存競争が、毎日繰り広げられているんですよ。
誰もが「死にたくない」と思いつつも、他者の肉体を取り込まないと、死んでしまうんですからね。ときに、暴力的に他者を殺害して、その肉体を摂取しないと、死んでしまうんです。
もちろん、わしら人間も、例外ではないんです。
今は便利な時代ですので、スーパーやコンビニで食べ物が簡単に手に入りますが、それらの原料のほとんどは、他の生き物の死骸を原料としています。植物しかり、動物しかり。
(^~^; )
ですが、人間は特に、繊細な心や脳を持っていますので、他の生き物を残虐に殺害するのは、できるだけ見たくなかったり、知りたくなかったります。わしもそうです。血とか見たくないです。
(T~T )
だから、それらはできるだけ排除する方向で、文明を進めてきましたよね。スーパーに並ぶお肉に、牛を屠殺する光景が載ってたりしませんよね(笑)。
とはいえ、元をただせば、それらはやっぱり、生き物の死骸でしかなくて、わしらはそれを毎日ありがたく頂いて、生きております。
つまり、わしら人間とて、先に挙げた1と2の、残酷な矛盾の中で生きていることになります。
他者を害しないと生きられないのに、他者に害されたくない。
そんな果てしない矛盾との戦い、それが命、人生なのです。
そんな恐ろしいこの世界に、昔の人はとても良い名前をつけてくれました。このブログでも、それを踏まえて、わしらの生きている世界を、こう呼びたいと思います。
そう、この世界の名は・・・
【地獄】です。
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これは、拙ブログ『人生はなぜ辛いのか、と思った時に読むブログ』からの転載です。イラストや強調で分かりやすい、本家サイトはこちら。
https://jinseihanazeturainoka.blogspot.com/
このブログの文章を初めてお読みの方は、ぜひ第1回からお読みください。
https://jinseihanazeturainoka.blogspot.com/2018/09/0001.html
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「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)