2-8:『良いモトの循環』と感情の「メカニズム」(人生はなぜ辛いのか?と思った時に読む『モト』の話)
2-8:『良いモトの循環』と感情の「メカニズム」
モトを自分で増やす方法と『良いモトの循環』
まあ、難しいことは抜きにして・・・実際にどうやったらココロの「モトが増える」のか、という話に移りましょう。
結論からいうと、モトが増えるのは「好き嫌いゲージ」が『好き』に寄っているときです。
好き嫌いゲージを『好き』寄りに動かすには、モトがたくさん要ります。その時のモトは、ココロがもとからたくさん持っていたものを使っているのかもしれないし、人から分けてもらっている最中かもしれないですが、どちらにせよ、たくさんのモトをガンガン消費しながら、好き嫌いゲージが上がっていきます。
そうして、ゲージが「好き」の方向にぐいぐい動いて、どんどん上昇していくうちに、ココロはさきほどの「機能」を発動させるようになります。
そう、自分のココロのモトを増やし始めるのです。
ココロが持っているモトが増えていくと、幸せな感覚・・・例えば
・楽しい
・面白い
・嬉しい
・感動した
・美しい
・気持ちいい
・ありがたい
といった、ポジティブな感情が出やすくなります。
そしてこういったポジティブな感情が出ると、またココロのモトは増えていきやすくなります。ポジティブな感情は、ココロの「幸せ感」を増幅させます。
楽しい気持ちで笑いながら、怒ったり悲しんだりってできないですよね。それは好き嫌いゲージが「好き」「嫌い」の両方を同時に指すことができないからなんです。好き嫌いゲージの針は必ず「どちらか寄り」になるようにできています。
ですので、ポジティブな気持ちが湧いてきたら、ココロがモトを生み出し始めるので、ゲージの針はさらに上昇するような仕組みになっています。
結果的に、ココロが幸せを感じると、気持ちがポジティブになって、そしてポジティブな気持ちがさらにココロを幸せにしやすくする、こういう
『良いモトの循環』
が起こるわけです。
『良いモトの循環』が途絶えるとき
もちろん、気分がポジティブな感情で満たされていても、周囲の状況と「アタマ」の働きによって、急に好き嫌いゲージが「下がる」こともあります。
友人と楽しいおしゃべりをしている最中に、突然嫌いな人から電話がかかってきて、楽しい気持ちに水をさされるようなこと、経験ありませんか?
こんな風に、アタマは常に周囲の状況に気を配っていて、その「アタマの認識」によって好き嫌いゲージは変化するので、それによって気分が急にネガティブに変わることもよくあるものです。
こういうとき、好き嫌いゲージは「嫌い」寄りにキュッと傾くので、ココロはモトを増やす動作をやめてしまいます。
こうなると、先程の『良いモトの循環』は途絶えてしまいます。ここで再び気分を変えて、楽しいおしゃべりに戻ってまたモトを増やすこともできますが、なんだか気乗りしなくなって、前ほど楽しくなくなってしまうこともあります。
つまりこういう気分の変化というのは結局、好き嫌いゲージやモトの生産という「ココロの機能」と、ココロがその時持っている「モトの量」によるのだ、ということなのです。
感情が起こるまでには「メカニズム」がある
気分や感情、そしてその源であるココロと、ココロが持っているモトとに重要な関係があるということがお分かりいただけたでしょうか。
この本の冒頭で「人生が辛いのは、幸せを感じる機会が少ないからだ」と書きましたよね。人が幸せを感じている時、実はその裏側にこういう仕組み、言いかえると
「メカニズム」
が存在していたのです。
この「メカニズム」を理解することで、僕たちはより一歩「幸せを感じやすい」ココロのあり方を習得しやすくなるのではないか、というのが僕の考えです。
実際、僕の「辛かった人生」はこの方法でずいぶん楽になりました。貧乏な暮らしぶりは変わらないのですが、生活そのものにゆとりのようなものが生まれましたし、友人も増えました。
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では次の章では、こういった「メカニズム」が、実際の生活でどのように機能し、その結果どんなことが起こっているのかを見ていきましょう。
そして、その時どうすれば「ココロのモトの量」を増やして「幸せを感じやすくできる」のかを、モトの観点から考えていきたいと思います。
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)