怖かった話(ちょっとホラー)

今から5、6年程前、2つ年下の男性と知り合った。
男性とはいっても、当時はまだ大学卒業したてだったため、男の子と言ったほうがいいのかもしれない。

もし特定されるとお互いに悪影響なので、詳しくどんな人かは言えないけれど、
とりあえずAくんとしよう。

いろいろ端折って申し訳ないが、何回かデートして付き合うことになった。

正直私は最初全然付き合う気なかった。
なんか、友達だったらおもろいなぐらいの気の合いようだった。
話せばゲラゲラ笑って、恋愛とは違うタイプの好きだった。

付き合ってと言われた時に私は言った。
「あなたとはうまく行かない気がする。
恋人として付き合うと終わりが来る。
友達だったらずっと仲良しでいられると思う。」

でもなんか、好き好き言われると不思議なもので、好きな気がしてきてた。単細胞。

しかし、付き合ったのはやはり大間違いだった。
それは恐らく私よりもAくんのほうが感じているに違いない…。

Aくんは一人暮らしだったのだが最初部屋に入れてくれなかった。

理由は単純に、部屋が汚いからだった。
引かないという約束で部屋に入ったが、引いた。
とりあえず掃除したが、素人の限界を感じる年季の入り方だった。

洗面所に手を洗いに行ったら半分以上減ったボトルのクレンジングオイルがあった。
「前の彼女が置いていったものを捨て忘れたんだろうな、あとで気づいて捨てるだろう」
と思って、何も言わなかった。
特に機嫌も損ねなかった。

その日、「今日泊まっていけば?」と言われた。
「着替えもないしメイク落としも無いから今日は帰ろうかな」
と言ったが、

「あ!メイク落としならC子のやつがあるよ!」

と、なんの悪気もなく言われた。

C子はAくんの大学の同級生だった。
同級生にしては距離もめちゃくちゃ近く、インスタの写真も、お前は彼女か??と思うようなものばかりだった。

へぇ、あの子ねえ。あの子がボトル半分になるまであの部屋で使ったのかあ。

しかし、やましい事は一切ないらしい。
書けないけど理由を聞いたら真っ当だった。

私はそれよりも、どんなに真っ当な理由だとしても異性への配慮が足りなすぎるな、と感じた。

兄弟みたいなもんだとしても兄弟ではない。
置く方も置く方だし隠さない方も隠さない方だなあと。

そんなC子もさすがに私と付き合ってからは部屋の出入りはなかったと思う。

機嫌を損ねた私に、Aくんは「配慮が足りなかった」と謝罪した。

っと…こんな子がいたのよ。

ここまではまあ良かったの。

このあとも事あるごとに現れるC子に、私の嫉妬が大変なことになってしまう。。

そしてAくんも、とにかくいつ会っても目が死んでいた。
普段はそんなことないが、二人でいるときはよく泣いていたし、意識朦朧だったりすることが多かった。

疲れてるんだろうな、とそんなに気にしてはなかった。

そんな中、私は夜一人で眠っていたら突然金縛りにあった。
女の人が乗っていた。C子じゃ〜ん。
なんで家知ってるんだよ。

そして突然首を絞められた。

「お前は生きてるほうが苦しいだろうから生かしておいてやるよ」

と言われた。

「唐突だなー」と思って寝た。

それからは毎日のように金縛りにあった。
フードをかぶった男が来るときもあった。
顔は見えなかったが多分Aくんだった。
なんかいつも上に乗っていた。

ある日の金縛り中、私は母親から教わったお経を頭の中で唱え、必死に口に出そうとしていた。
すると
「そんなのが効くと思ってるのか??」
みたいなことを言われたが無視したら消えた。効いた?

夜の眠れなさ、日々の仕事、私の疲労は心も身体もピークだった。

ウォシュレットもついてないシンプルなトイレが勝手に流れるようになった。

電気は突然消えた。

おかしいんだけどこの頃には電気が消えるぐらい怖くなかった。

私はAくんに、C子との付き合いをやめてくれと無茶なお願いを何度もした。
金縛りのことは言わなかった。
もしかしたら私が寝ぼけてるだけかもしれないと思ったからだ。

Aくんは、今は家にも来てないしただの友達だし仕事も一緒にするから無理だといった。

そりゃ当たり前だった。

ある日、とあるイベントでC子に会った。
会ったのは初めてじゃないしいつもは挨拶ぐらいするが、何故かその日は私のことを避けた。

「なんなの?好きなの???サバサバ女ぶりやがって!
自分でサバサバ系っていう女が一番ネチネチしてるんじゃ!!!
私の寝込みを襲いやがって!!
ほんでトイレ勝手に流すな!電気勝手に消すな!!」

と、心の中で思った。
まあ全部私の思い違いかもしれないなーとも思った。

その後、結局Aくんと口論になり、Aくんは別れを切り出した。
私もこのまま付き合ってても上手く行く見通しなんてなかったが、
なんか私よりC子を選ぶみたいでめちゃくちゃムカついた。

最後に私はAくんに金縛りの話をした。
「そんなこと言われても知らん」
と言われた。

いや私でもそう言うわ。

もう何も解決しなかった。

私のメンタルはもうボロボロになり、
その私にボロボロにされたAくんという地獄絵図だった。

誰がどう見ても早く離れたほうがいい二人だった。

運命の赤い糸ってあるじゃん?
あれの真逆ってあるんだなと思った。
黒い糸??

このメンタルをなんとかしなくちゃ、
とりあえず金縛りをなんとかしなくちゃ、と、Dr.コパの貼るだけ風水シールを本屋で買ってきて家中に貼った。

金縛りはパタリと無くなった。

別れたからなのか、Dr.コパがすごいのかはわからないがとりあえずなくなったので良かった。
それからは毎年Dr.コパの風水シールにお世話になった。

別れた次の日も普通に会社に行った。
友達と飲みに行ったりもした。
恋人よりも、会社の同僚や上司、仲間、親、先生…
私を心配して愛してくれる人が沢山いることに気付けた。

会社の同僚は私のことみてゲラゲラ笑ってた。
3ヶ月くらいは引きずった気がするが、
その話を沢山友達にして相手が悪いことにしたし、
なんか超すっきりした。

でも今となっては別にあいつ悪くないよな、どっちかと言うと悪いの私だな、と反省している。

たまたまなんだけど、当時Aくんが住んでいたマンションの前を今も通ることがある。
その度に思い出すけど、良い思い出じゃないね。笑

あ!ちなみにDr.コパの風水シールは今は使っていないけど、気になる人がいれば本屋に売ってるので買ってみてね!!

おわり。

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