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現代の風刺として見る無領空処

漫画「呪術廻戦」で最強キャラとして君臨する五条悟。呪術師御三家の五条家に生まれた彼は、幼い頃から圧倒的エリートだった。無下限呪術と六眼を使いこなす豪快さ無双っぷりには少年心を惹きつけられる。そんな彼の必殺技が「無領空処」である。無領空処は五条悟の領域展開であり、そこに入った者には無限の情報が頭に流し込まれて脳が機能停止してしまい何もできない無防備な状態になるという。これってある意味で、情報社会にいる私たちを風刺していないだろうか。先日、東京に行き一泊してくる用事があった。ホテルを予約しようとしたのだが、「東京 ホテル」で調べたら、まさに無限に思える情報が出てくる。予約サイトだけでもたくさんある上にホテルの数はキリがない。僕は結局その日はホテルを決められなかった。まさに、脳が機能停止していた。まさに無領空処である。インターネットという領域展開の中で僕は、圧倒的な情報量の前に何もできなかったのだ。見れば見るほどに湧き出てくる情報。一つ良さげなところを見つけても、いやもっと調べればいい場所があるはずだと深みにはまっていく。何もホテルを予約するときだけの話ではない。ダイエット、リスキリングや美容でもなんでもそうだ。しかも、目につきやすいところにあるのは明らかにアフィリエイト臭がぷんぷんする胡散臭い情報。インターネットは世界を繋げることで簡単に欲しい情報を入手できるようになったように見えて実は全然簡単ではないと思う。それは、無領空処の中で生き残ることに等しい。ここで僕は、こうしたらいいよという処方箋は出さないし、出す立場にない。ただ考えるきっかけを作りたかったのだ。僕は説明しない、僕は探求するんだ。

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