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売れるクリエイターに必要な2つの要素

ファッションデザイナーの村松です。ファッションブランドの『muuc』や、ニット文化を広げるプロジェクト『AND WOOL』を運営したり、ファッションアートの衣装制作をしたり、最近は海外ブランドのデザイナーを務めたりと、あくせく活動をしたりしています。

私は、ファッション業界に入って約20年、自身のブランドを運営する傍ら、国内外の数多くのブランドさんとお仕事をさせてもらってきました。ありがたいことに私を直接指名してくださるブランドさんもあり、東京から地方へ拠点を移した今も、ファッションのお仕事を続けられています。

私自身の経験もそうですが、さまざまなプロジェクトを通じていろいろなジャンルのクリエイターさんと接する中で、周りから求め続けられるクリエイターの共通点ってなんだろうと、ふと思い、自分なりにまとめてみました。


無名の自分に次々依頼が舞い込んだ2つの理由

初めて、私のnote記事を読んでくださる方も多いと思いますので、今回の話の前提として、私の自己紹介を簡単にさせてください。

私は、手仕事から生まれるファッションに魅了されて、オートクチュール的な技術や表現(針と糸から生まれる 手工芸のようなニードルワーク)に感動し、ニットが非常に得意なファッションデザイナーになりました。
(ニットというと、一般的な『編み物』を連想すると思いますが、私は『編み物』も得意ですが、針と糸から作られる表現全般が得意です。)

こちらはクロッシェで制作した作品。 針と糸から生まれる 様々な作品づくりに挑戦しているので、是非ポートフォリオをご覧いただければ幸いです。→ https://keiichi-m.myportfolio.com


私は、学生のころから海外のラグジュアリーブランドにデザインや技術を提案したり、国内の著名ブランドやアーティストと一緒にお仕事をさせていただく機会が多くありました。

なぜ、知名度もなく、外国語も苦手な私がそのような光栄なお仕事を続けることができたのでしょうか。自分なりに分析してみたところ、以下の2つの点が挙げられるのかなと思います。

ファッションブランド【leur logette】に制作したニットのアクセサリー

①希少性の高い専門技術を有している

服飾の世界は、大きく「織物」と「編物」に分かれています。

世の中に流通しているお洋服の約6割はニットの技術で作られていると言われています。セーターの他にも、Tシャツやスウェット、ジャージー、靴下などもニットの分類になります。

しかし、専門学校などでお洋服の作り方を学ぶ際は、主にシャツやジャケットなど「織物」が中心で、「編物(ニット)」を専門的に学べるところは実は世界的にみても非常に少ないのです。

つまり、需要はあるのに、専門的な技術を教えられる教育者や技術者が極端に少ないということ。

私が通っていた服飾専門学校はニットを専攻できたので、コンピューター編み機による大量生産のニットの作り方から、さまざまなニットの技法、手芸(オートクチュール的な表現)を学び、専門的な技術を習得しました。同時に「織物」から生まれる洋服の作り方も基礎から学びました。

そして、イタリアの老舗糸メーカー「リネアピウ」社に留学し、世界トップクラスのニットデザインが集まる環境に身を置き、経験を積むこともできました。

自分の手を動かして細かなデザインができる点や、糸や編み方、生地についても専門的な知識を有している点では、一般的なファッションデザイナーにはない希少性があるのではないかと思っています。

海外でニットの勉強をしていたときの作品 
この作品がきっかけで生まれたチャンスもありました。

②マーケット視点でデザインができる

オリジナリティ溢れるデザインができる人やクリエイターは多くいますが、自身のこだわりが強すぎてなかなか世の中に受け入れられにくい人も少なくないでしょう。どれだけ手の込んだ商品を作っても、誰からも必要とされなければ、市場的な価値はありません。
(個人的には、市場的な価値はなくても、文化としての価値はあると思いますが、それでは産業は守れないため、文化・技術・人の暮らしが中長期的には守れなくなると考えています。)

市場から求められていること、次のトレンドを見据える視点、お客様のニーズを掴む力、こういったマーケット視点をいかに持てるかは、ジャンル問わず全てのクリエイターに必要な要素ではないかと思います。

私は、学生時代から多くのブランドさんと関わらせていただき、ブランドさんがイメージするものを形にしたり、市場にフィットさせるデザインを作ることを常に意識してきました。また、自身のブランド運営を続けていく中で、挑戦と失敗を繰り返しながら、徐々に自分のオリジナリティとマーケット視点を持ったデザインとのバランスをうまく取れるようになってきたように感じています。


必要とされ続けるクリエイターになるために

これらは、クリエイターは当たり前のように持っているものと思われがちですが、意外に①も②も見落とされることが多いように感じています。

①があることで、差別化が生まれ、需要も生まれ、価値が高まります。
そして、②ができないと、①で生まれた価値は、価値でなくなってしまいます。

どれだけ自分独自の価値を高めていけるのか、そしてどれだけ世の中を見渡すことができるのか。私自身、自分への戒めのためにも、これからもこの2つを意識しながらこれからもお仕事を続けていきたいと思います。



〜お知らせ〜

2024年8月14日(水)~8月20日(水) 伊勢丹新宿店 本館5階にてポップアップ開催します

『手仕事』を、自分のデザインコンセプトの一つに置いた私のファッションブランド『muuc / ムーク』と『AND WOOL / アンドウール』を実際にご覧いただけるポップアップショップが伊勢丹新宿店5階にて開催されます。どうぞご来店ください。

■ ISETAN 手藝 salon de la création & du savoir-faire vol.4
期間:2024年8月14日(水)~8月20日(水)
販売フロア:伊勢丹新宿店 本館5階 センターパーク/ザ・ステージ#5
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-14-1

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