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うつが辛い時は、深く息を吸いたくない


 うつが酷い時、深く息を吸えない。息を吸うと、胸に空気の圧が加わって悲しい時の胸の痛み…実際に身体を痛めてるわけではないのだろうけれど…胸が痛くなる感覚、伝わるでしょう?あれが強くなるのだ。

 吸って痛んで、吐いて痛みが尾を引いて小さくなっていく。辛い。深呼吸は気持ちを落ち着けるのに大事らしいけれど、できればしたくない。元気な時に痛くない胸で酸素を取り込みたい。

 胸が痛くて苦しい時、心の芯の部分に氷の棘が刺さってすっかり体内に入り込んで取り除けない。頭には昨日見た桜の花やカフェの机の端っこ、開いたノートなど、断片的な記憶の「画」が次々と思い出される。一種の走馬灯なのかもしれない。


 感情を表に出すのが苦手だなと思う。悲しい時に自然と涙を流したり、嫌なことをされてその場で怒ることが難しい。「感情を殺せ」と言われ育ったわけではない。不快な環境で育っていたのに「幸せかつ充分な人生」と解釈していたのが原因だと思われる。
 生きる上で必要なものを充分に与えられて暮らしている。なのに不快感情を持つ自分は粗忽者だ。社会に叩かれる存在だ。Twitterに不満をこぼしたら炎上する。ずっとそう思っていたし、今でも少し思っている。自意識過剰ですね。そうでもなかったんだな。不快に思う理由が、明確に家庭環境にあって、私の感情に理不尽はなかった。

 カウンセリングで「感情に良い悪いは無いんだよ」と教えられて、初めて己の感情について考えるようになった。それまで自分は、不満は顔に出るし子供っぽく感情的だと思っていたけれど。泣きたい時に泣けない、怒り方がわからない自分に気がついた。
 出せるタイミングで感情を出さないから、時々理由もなくとても悲しくて苦しくなるんだ。うつ病になってもうすぐ3年、憂鬱の仕組みを垣間見た気がする。理解は回復の助けになると信じて、陽を浴びようと思う。


 ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。🛌

 

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