*読書日記 #4 「三つ編み」


6月からいろいろなことが始まって、合間で本を読んでいたら感想どころではなくなってしまっていた

せっかく始めた日記だから自分のペースでぼちぼちやっていこうと思う


三大陸の三人の女性。かけ離れた境遇に生きる彼女たちに共通するのは、女性が押しつけられる困難と差別に立ち向かっていること。ある者は娘の教育のため、ある者は仲間の生活のため、ある者は自身の夢のために理不尽と闘う。

インド、イタリア、カナダの3カ国の女性の物語だ

著者はフランス人の女性で、もとは映画監督らしい

この作品も自身で映画にするみたい

【全国図書館協会賞】【グローブ・ドゥ・クリスタル賞(文学部門)】【「ルレイ」旅する読者賞】【女性経済人の文学賞】【ユリシーズ賞(デビュー小説部門)】【フランス・ゾンタクラブ賞】【全国医療施設内図書館連盟賞】【ドミティス文学賞】

並べてみたけど、とにかくいろいろ賞を受賞していて、『82年生まれ、キム・ジヨン』と並んで紹介されているのをたびたび目にしたのでいつか読もうと思っていた


インドのスミタは不可触民と呼ばれる最下層のカーストで、田舎の村で汲み取り式トイレ掃除の仕事をしながら夫と娘と暮らしている

夫は畑のネズミを捕まえる仕事をしている

2人の仕事は給料がもらえるわけでもなく、残飯だったり捕まえたネズミそのものが貰えるだけだ

娘を小学校に通わせたかったが上手くいかずスミタは絶望する

イタリア・シチリアのジュリアは家族経営の毛髪加工工場の次女である

父が事故にあったことで工場が破産寸前なことを知る

カナダのサラは敏腕弁護士で父親の違う娘と双子の息子がいる

出世街道まっしぐらのなか、癌を患う


3人のまったく違う人生がそれぞれ進んでいくのはまるで映画を観ているようだった

三つ編みの一本一本がたわわに伸びていき、最後は優しく絡むような物語だ


主人公の女性たちは本当に強く生きていて、わたしは勇気を貰った

でもこの物語は女性と男性それぞれに考え方の役割を与えているわけではない

スミタの夫は村の他の男とは違い、女性のことをきちんと尊重する心優しい男性である

ジュリアの母や姉は金持ちの男と彼女を結婚させたがる

図書館でジュリアと出会うシク教徒のインド人カルマジットは女性のことを対等に考え、彼女のことを尊重し力になろうとする

サラのベビーシッターは男性だし、自分の利益のためにサラを半ば陥れて出世しようとするのは後輩の女性弁護士だった(嫌な男性弁護士も出てくるが)

それぞれの経験や宗教とかから価値観が生まれていくわけだから当たり前だけど2つの性別に2つの考え方がある訳ではないと改めて思った


スミタの娘やジュリアの工場で長年働く女性の強さにも物語を読む上で支えられた

ジュリアとカルマジットは出会いから図書館での再会、洞窟での逢瀬のすべてがロマンチックで美しかった


解説ではインドより日本の方がジェンダーギャップ指数の順位が低い、男女格差が大きいというデータが紹介されている

女性政治家が少ないことがこのランキングには大きく影響しているようだが、日本に暮らすわたしたちはそれだけが問題でないことを簡単に理解できるだろう


もっとこのことについて書きたかったが、打っては消してを繰り返してしまう

きちんと自分の言葉で書けるようにならないとと思う



いまわたしの髪の毛はやっと三つ編みにできるくらいになった

ヘアドネーションを考えて伸ばしている


あとこれは書くのを迷ったが、わたしの親友は脱毛症で普段からカツラをしている

彼女にこの本を勧めたいと読後すぐに思ったが、それがよくない判断なのかもしれない

彼女は小説を普段から読むタイプでもないし、わたしが特別本を勧めたことも無いし……

わからない

もしこの本を読んだ人が他にもいたら教えてほしい







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