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蜘蛛になったアラクネ

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先週のこと、いつものように夕餉の後にテレビ番組を見ていると、

とてつもなく大きな蜘蛛がいつの間にかキッチンの壁に張り付いていて、

「え?・・・」となりました。

こんな風に、一人で家にいる時に限ってとんでもない珍客に出くわすことが度々あります。

それは多くの場合Gなのですが。(全てのワードを言えないぐらいの恐怖・・・)

ある時はイタチだったり、

ある時は家に急に入り込んできたツバメだったり

ヤモリだったりします。

そして今回の蜘蛛・・・小さな蜘蛛は幾度か目にするので

「まあ、いるな。」ぐらいに思っていましたが、

今回のヤツ・・・じゃなくてお客様は本当に大きくて、

直径10センチぐらいはあったかと思われます。

最初に見た時、見間違いかと思って二度見したぐらいです。

ん?壁のシミ?シミにしてもなんか変な形?

ん?シミじゃなくない!?

きゃ〜〜〜〜!!!

となりました。

あまりに大きくて驚愕ものだったのですが、グーグル先生に聞いてみると

「大丈夫です。刺したりしないので。」

ということだったので、

あ、そう。

じゃあ〜、まあ大丈夫かなと思い、

寝る前に再三、「頼んます!こっちの部屋には入ってくないでください。」と

念押しして眠りにつきました。

でもそんな大きな蜘蛛を見て、ふとギリシャ神話に登場するアラクネのことが頭に浮かびました。

いつ頃読み始めたのかはさっぱり覚えていないのですが、

ギリシャ神話の本が家にあったので、

中学生の頃にはなんとはなしに読むようになり、

この不思議な世界に夢中になった時期がありました。

あと、アニメの聖闘士星矢の影響もあったと思われます。

懐かしい・・・

アラクネに話を戻すと、

昔々、まだギリシャの神々が自由に地上の国を出入りしていた頃、

貝紫の染料で有名なリディアに、アラクネという若い娘がおりました。

アラクネは織り物が非常に上手いことで有名だったのですが、

そのことをいつも自慢に思ってそれを吹聴していました。

ある時アラクネは、

「私は織物を発明したアテナ女神よりも織物を織るのが上手い。」

とうっかり口にしてしまい、アテナの不興を買ってしまいます。

そして、自身の命をかけて女神と織物対決をするという事態に陥ります。

(ギリシア神話あるあるの突然の展開です〜)

そしてその結果この戦に負け、(アテナは戦いの女神でもありました)

アラクネは首を吊って死んでしまいます。

アテナは木の茂みの中で首を吊ってぶら下がっているアラクネの亡骸を見つけると

それに手を触れました。

すると、みるみる内に娘の身体は小さく縮み、手足はか細くなり、数が増え、

やがて、毛むくじゃらな黒い生き物が姿を現しました。

次にアテナがアラクネの首にかかっていた綱に手を触れると、

その綱は細く長く光る糸になり、その先に黒い生き物がぶら下がっていました。

黒い生き物はアテナの顔をじっと見ていましたが、

やがて顔を背けると、

その糸の束の上によじ登り、草むらへと身を潜めました。

そして今度は自らが口から細くて光る糸を吐き出し、

草むらにかける作業を始めました。

今や、競争相手がいなくてもずっと自らの糸を織り続けなければならないことをわかっていたのです。

蜘蛛がアラクニドと言われるのはこうしたわけなのです。

(『ギリシャ神 神々と英雄たち』バーナード・エブスリン著・三浦朱門訳 参照)

という、なんともシュールでひどい話なのですが、それでも私はこの話を好んで

何度も読んでいました。

ギリシャ神話の神々は、大抵人でなしで、嫉妬深く、自分勝手です。

そんなことで腹を立てなくても良いのでは?ということでも

平気で腹を立てて人をバンバン殺していきます。

私がイタリアにいた時に、あるいは他のヨーロッパの国々でも

最大の謎だったのは、そんな神々をなぜ好んでこっちの人たちは

崇め奉るのか?ということでした。

どの土地に足を運んでも、ある時は古い神殿を活用した教会の柱に、ある時は古代の神殿へとつながる大階段のてっぺんに、とてつもなく大きなギリシア、あるいはローマの神々が凛としてそびえ立っている光景を目にしたものです。

宗教に対する日本人の捉え方との違いなのか?

でも日本でもスサノオノミコトのような荒ぶる神がおられるので、

あながち神に対する共通の認識があるのかなあ?などと考えるのですが、

やっぱり今もって謎です。

あ、そうそう。

我が家に突如として現れたアラクネ。

彼女は(雰囲気的に女性ぽかったです)2、3日台所の本棚の横に身を潜めて頑張っていましたが、ある日突如としていなくなってしまいました。

急に現れた時は「ぎゃ〜!!!」と大騒ぎするのですが、いなくなるとまた心配になるという。

それでもどこかで、白くて光る糸で織物を織りながら、

頑張って暮らしていて欲しいなと思っております。

と思っていたら、また突如として戸棚の中から彼女が姿を現したので、

やっぱり叫んでしまいました。

ビビリやし、ほんまに急に現れんのやめて!先週のこと、いつものように夕餉の後にテレビ番組を見ていると、

とてつもなく大きな蜘蛛がいつの間にかキッチンの壁に張り付いていて、

「え?・・・」となりました。

こんな風に、一人で家にいる時に限ってとんでもない珍客に出くわすことが度々あります。

それは多くの場合Gなのですが。(全てのワードを言えないぐらいの恐怖・・・)

ある時はイタチだったり、

ある時は家に急に入り込んできたツバメだったり

ヤモリだったりします。

そして今回の蜘蛛・・・小さな蜘蛛は幾度か目にするので

「まあ、いるな。」ぐらいに思っていましたが、

今回のヤツ・・・じゃなくてお客様は本当に大きくて、

直径10センチぐらいはあったかと思われます。

最初に見た時、見間違いかと思って二度見したぐらいです。

ん?壁のシミ?シミにしてもなんか変な形?

ん?シミじゃなくない!?

きゃ〜〜〜〜!!!

となりました。

あまりに大きくて驚愕ものだったのですが、グーグル先生に聞いてみると

「大丈夫です。刺したりしないので。」

ということだったので、

あ、そう。

じゃあ〜、まあ大丈夫かなと思い、

寝る前に再三、「頼んます!こっちの部屋には入ってくないでください。」と

念押しして眠りにつきました。

でもそんな大きな蜘蛛を見て、ふとギリシャ神話に登場するアラクネのことが頭に浮かびました。

いつ頃読み始めたのかはさっぱり覚えていないのですが、

ギリシャ神話の本が家にあったので、

中学生の頃にはなんとはなしに読むようになり、

この不思議な世界に夢中になった時期がありました。

あと、アニメの聖闘士星矢の影響もあったと思われます。

懐かしい・・・

アラクネに話を戻すと、

昔々、まだギリシャの神々が自由に地上の国を出入りしていた頃、

貝紫の染料で有名なリディアに、アラクネという若い娘がおりました。

アラクネは織り物が非常に上手いことで有名だったのですが、

そのことをいつも自慢に思ってそれを吹聴していました。

ある時アラクネは、

「私は織物を発明したアテナ女神よりも織物を織るのが上手い。」

とうっかり口にしてしまい、アテナの不興を買ってしまいます。

そして、自身の命をかけて女神と織物対決をするという事態に陥ります。

(ギリシア神話あるあるの突然の展開です〜)

そしてその結果この戦に負け、(アテナは戦いの女神でもありました)

アラクネは首を吊って死んでしまいます。

アテナは木の茂みの中で首を吊ってぶら下がっているアラクネの亡骸を見つけると

それに手を触れました。

すると、みるみる内に娘の身体は小さく縮み、手足はか細くなり、数が増え、

やがて、毛むくじゃらな黒い生き物が姿を現しました。

次にアテナがアラクネの首にかかっていた綱に手を触れると、

その綱は細く長く光る糸になり、その先に黒い生き物がぶら下がっていました。

黒い生き物はアテナの顔をじっと見ていましたが、

やがて顔を背けると、

その糸の束の上によじ登り、草むらへと身を潜めました。

そして今度は自らが口から細くて光る糸を吐き出し、

草むらにかける作業を始めました。

今や、競争相手がいなくてもずっと自らの糸を織り続けなければならないことをわかっていたのです。

蜘蛛がアラクニドと言われるのはこうしたわけなのです。

(『ギリシャ神 神々と英雄たち』バーナード・エブスリン著・三浦朱門訳 参照)

という、なんともシュールでひどい話なのですが、それでも私はこの話を好んで

何度も読んでいました。

ギリシャ神話の神々は、大抵人でなしで、嫉妬深く、自分勝手です。

そんなことで腹を立てなくても良いのでは?ということでも

平気で腹を立てて人をバンバン殺していきます。

私がイタリアにいた時に、あるいは他のヨーロッパの国々でも

最大の謎だったのは、そんな神々をなぜ好んでこっちの人たちは

崇め奉るのか?ということでした。

どの土地に足を運んでも、ある時は古い神殿を活用した教会の柱に、ある時は古代の神殿へとつながる大階段のてっぺんに、とてつもなく大きなギリシア、あるいはローマの神々が凛としてそびえ立っている光景を目にしたものです。

宗教に対する日本人の捉え方との違いなのか?

でも日本でもスサノオノミコトのような荒ぶる神がおられるので、

あながち神に対する共通の認識があるのかなあ?などと考えるのですが、

やっぱり今もって謎です。

あ、そうそう。

我が家に突如として現れたアラクネ。

彼女は(雰囲気的に女性ぽかったです)2、3日台所の本棚の横に身を潜めて頑張っていましたが、ある日突如としていなくなってしまいました。

急に現れた時は「ぎゃ〜!!!」と大騒ぎするのですが、いなくなるとまた心配になるという。

それでもどこかで、白くて光る糸で織物を織りながら、

頑張って暮らしていて欲しいなと思っております。

と思っていたら、また突如として戸棚の中から彼女が姿を現したので、

やっぱり叫んでしまいました。

ビビリやし、ほんまに急に現れんのやめて!先週のこと、いつものように夕餉の後にテレビ番組を見ていると、

とてつもなく大きな蜘蛛がいつの間にかキッチンの壁に張り付いていて、

「え?・・・」となりました。

こんな風に、一人で家にいる時に限ってとんでもない珍客に出くわすことが度々あります。

それは多くの場合Gなのですが。(全てのワードを言えないぐらいの恐怖・・・)

ある時はイタチだったり、

ある時は家に急に入り込んできたツバメだったり

ヤモリだったりします。

そして今回の蜘蛛・・・小さな蜘蛛は幾度か目にするので

「まあ、いるな。」ぐらいに思っていましたが、

今回のヤツ・・・じゃなくてお客様は本当に大きくて、

直径10センチぐらいはあったかと思われます。

最初に見た時、見間違いかと思って二度見したぐらいです。

ん?壁のシミ?シミにしてもなんか変な形?

ん?シミじゃなくない!?

きゃ〜〜〜〜!!!

となりました。

あまりに大きくて驚愕ものだったのですが、グーグル先生に聞いてみると

「大丈夫です。刺したりしないので。」

ということだったので、

あ、そう。

じゃあ〜、まあ大丈夫かなと思い、

寝る前に再三、「頼んます!こっちの部屋には入ってくないでください。」と

念押しして眠りにつきました。

でもそんな大きな蜘蛛を見て、ふとギリシャ神話に登場するアラクネのことが頭に浮かびました。

いつ頃読み始めたのかはさっぱり覚えていないのですが、

ギリシャ神話の本が家にあったので、

中学生の頃にはなんとはなしに読むようになり、

この不思議な世界に夢中になった時期がありました。

あと、アニメの聖闘士星矢の影響もあったと思われます。

懐かしい・・・

アラクネに話を戻すと、

昔々、まだギリシャの神々が自由に地上の国を出入りしていた頃、

貝紫の染料で有名なリディアに、アラクネという若い娘がおりました。

アラクネは織り物が非常に上手いことで有名だったのですが、

そのことをいつも自慢に思ってそれを吹聴していました。

ある時アラクネは、

「私は織物を発明したアテナ女神よりも織物を織るのが上手い。」

とうっかり口にしてしまい、アテナの不興を買ってしまいます。

そして、自身の命をかけて女神と織物対決をするという事態に陥ります。

(ギリシア神話あるあるの突然の展開です〜)

そしてその結果この戦に負け、(アテナは戦いの女神でもありました)

アラクネは首を吊って死んでしまいます。

アテナは木の茂みの中で首を吊ってぶら下がっているアラクネの亡骸を見つけると

それに手を触れました。

すると、みるみる内に娘の身体は小さく縮み、手足はか細くなり、数が増え、

やがて、毛むくじゃらな黒い生き物が姿を現しました。

次にアテナがアラクネの首にかかっていた綱に手を触れると、

その綱は細く長く光る糸になり、その先に黒い生き物がぶら下がっていました。

黒い生き物はアテナの顔をじっと見ていましたが、

やがて顔を背けると、

その糸の束の上によじ登り、草むらへと身を潜めました。

そして今度は自らが口から細くて光る糸を吐き出し、

草むらにかける作業を始めました。

今や、競争相手がいなくてもずっと自らの糸を織り続けなければならないことをわかっていたのです。

蜘蛛がアラクニドと言われるのはこうしたわけなのです。

(『ギリシャ神 神々と英雄たち』バーナード・エブスリン著・三浦朱門訳 参照)

という、なんともシュールでひどい話なのですが、それでも私はこの話を好んで

何度も読んでいました。

ギリシャ神話の神々は、大抵人でなしで、嫉妬深く、自分勝手です。

そんなことで腹を立てなくても良いのでは?ということでも

平気で腹を立てて人をバンバン殺していきます。

私がイタリアにいた時に、あるいは他のヨーロッパの国々でも

最大の謎だったのは、そんな神々をなぜ好んでこっちの人たちは

崇め奉るのか?ということでした。

どの土地に足を運んでも、ある時は古い神殿を活用した教会の柱に、ある時は古代の神殿へとつながる大階段のてっぺんに、とてつもなく大きなギリシア、あるいはローマの神々が凛としてそびえ立っている光景を目にしたものです。

宗教に対する日本人の捉え方との違いなのか?

でも日本でもスサノオノミコトのような荒ぶる神がおられるので、

あながち神に対する共通の認識があるのかなあ?などと考えるのですが、

やっぱり今もって謎です。

あ、そうそう。

我が家に突如として現れたアラクネ。

彼女は(雰囲気的に女性ぽかったです)2、3日台所の本棚の横に身を潜めて頑張っていましたが、ある日突如としていなくなってしまいました。

急に現れた時は「ぎゃ〜!!!」と大騒ぎするのですが、いなくなるとまた心配になるという。

それでもどこかで、白くて光る糸で織物を織りながら、

頑張って暮らしていて欲しいなと思っております。

と思っていたら、また突如として戸棚の中から彼女が姿を現したので、

やっぱり叫んでしまいました。

ビビリやし、ほんまに急に現れんのやめて!

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