ある学生さんが大学のちかくにへやをかりました。 はじめてのひとりぐらしではじめのころはバタバタしていましたが、あたらしいくらしになれてくるとそのへやのことがすっかり好きになっていました。 やちんがやすいわりにきれいで、いろいろとべんりでしたし、なによりだれの目も気にするひつようがないのです。 こんなにいいことはありません。 ただ、ひとつだけ気になることがありました。 へやのカベにちいさなアナがあいているのです。 なんだろうとのぞきこんでみると、おくに
あなたはジンメンケンをしっていますか? からだがイヌでかおがヒトという、きみょうないきものです。 むかし、ジンメンケンを見たというほうこくがたくさんありました。 ジンメンケンは学校がえりのみちなどにあらわれます。 それはおじさんのようなかおをしていてはなしかけるとやはりおじさんのような声で「なに見てんだよ」などと言うそうです。 ジンメンケンのしょいたいはいまもよくわかっていません。 うわさでは、ある大学のイデンシじっけんでうまれたいきものがにげだした
夜なかになるとカンゴシさんのゾンビがでるという学校がありました。 その学校はむかし病院だったのだそうです。 ある生徒がわすれものをとりに夜の学校へやってきました。 その日、しゅくだいをするのにどうしてもひつようなノートをきょうしつのつくえのなかにおいてかえってしまったのです。 くらいろうかをぬけ、なんとかきょうしつにたどりついたその子がかえろうとしていると、ろうかのむこうからキィキィというおとをたてながらなにかがやってきます。 それはだいしゃをおしながら
2組のカップルがきもだめしにでかけました。 行くさきは、そのあたりでは出ると有名だった山道のトンネルです。 おとこの子たちはおんなの子たちにいいところを見せようとはりきってあるいていきます。 はんたいにおんなの子たちはあまり気のりしません。 とくにひとりのおんなの子は、トンネルにちかづいたときからとてもいやな気ぶんになってしまっていて、すぐにでもかえりたいとおもっていました。 おとこの子たちはそんなことにはまるで気がつかないようで、さっさとトンネルのなか
カメラがまだデジタルではなかったころ、フィルムをおみせにもっていって写真にしてもらうというのはよきゃることでした。 これはそんなころにあったおはなしです。 あるかぞくがうみへあそびにいきました。 おとうさんとおかあさんとおとこの子の3にんかぞくです。 おとこの子はおよぐのがとくいだったので、たかいところからとびこみをやりたいと言いだしました。 それならおとこの子がとびこむしゅんかんを写真にとってあげようと、おとうさんがカメラをかまえます。 おとこの子
これはあるとてもさむいところであったおはなしです。 ふみきりをわたろうとしていたおんなの子が、はしってきた列車にはねられるというジコがおこりました。 あわてて列車をとめた運転手さんが外にでてみると、はねられたおんなの子がセンロの上にたおれています。 それを見た運転手さんはふるえあがりました。 おんなの子のからだがおなかのあたりからまっぷたつになってしまっていたからです。 でもそれだけではありません。 なんと、そのおんなの子はまだ死んでいなかったのです
ある夕がたのこと。 学校から家へ帰るとちゅうのおとこの子がひとりで道を歩いていると、道の向こうから赤いコートを着た背の高いおんなの人が歩いてきました。 おんなの人はくちに大きなマスクをしています。 おんなの人はおとこの子の前に立ちどまって言いました。 「わたし、きれい?」 こわくなったおとこの子はおんなの人をおこらせないよう、とっさにこう言いました。 「きれいだよ」 するとおんなの人はマスクをとってじぶんのかおをおとこの子に見せました。 「これでも