見落としを防ぐポイント〜その8〜

こちらもこれで一旦最後になります。
見落としを防ぐためには、書き連ねたような気をつけるポイントを念頭に置くことも大事ですが、なにより常に向き合う文章に対して考えながら対処することです。機械的にパターンに当てはめてチェックすることは例外に対応できません。過去のミスにはミスをする法則性が隠されています。それを己で学ぶことこそ上達の手掛かりだと思います。
今後もストックが溜まったり校正校閲に関するコラムやエッセイのようなものを書くとは思います。
長らくお読み下さり、ありがとうございました。

・「洋装のドレスで」→「ドレス姿で」などに。ドレスは洋装なので重複になる。サラッと読むと流してしまうようなパターン。

・「牛乳1パック157円」と出てきたとしても、それが1リットルなのか500ミリリットルなのかハッキリしない場合は補足する形で問うてもいい。

・「東洋史研究」と出てきて、それっぽいし読めるしと安心しない。学問系はそれぞれ名称がちゃんとあるので確認する。「東洋史『学』研究」の場合もある。

・「廃業になる」→「廃業にする」。勝手に廃業にはならないため。短い言い回しほど流してしまうので気をつける。

・船や飛行機に乗組員として乗るのであれば、「乗り込む」ではなく「乗り組む」という動詞の方が適切。

・人名チェックをする際、特に画数が多い漢字が使われている場合は脳が見間違える可能性高まるのでじっくり見る。地味な違いながら旧字になっていたり違う字になっている場合がある。

・歴史的なモノは、「資料」→「史料」とする。

・長距離の飛行機の移動時、フライト時間についてはサマータイムに気をつける。1時間は差が出る。そのため物語の舞台の季節がハッキリしている時はメモしておく。

・文献の確認をする際、国会図書館やAMAZONで検索しても引っかからない本があった場合、地方図書館にだけ所蔵していることがある。著者の地元に調べがつくならそちらを調べてみるのも手。

・プレゼントの当選時など、「賞品の発送をもって〜〜」という記述が出たら「賞品」が「商品」になっていないか気をつける。どちらでも読めてしまうため、見落とし易い。

〜了〜

#コラム #校正 #校閲

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?