体裁の話及びその他〜その7〜

どういった意図でこの文章は出来ているのだろうか。時折、思い量ることしかできないそのことを考えます。意図があるのなら不統一を指摘すべきなのか、実は意図はないので別に不統一でもいいのか。意図があるなら事実関係が間違っていてもフィクションとしてそのままがいいのかいけないのか。それは著者でなければわかりません。わからないからこそ、様々な可能性を考え、どの可能性であってもより似つかわしい姿になれるようエンピツ出しをする。それが出来たら校正校閲側も著者も、そして読者も、良い形に収まるのではないかなと思います。

・JRと来たら、西日本、東日本、東海など分かれているため特定できる場合は補足する。

・顔写真はインターネットで本人か確認できる範囲で確認。『日本タレント名鑑』など近くにあればそれを見るのも手。明らかに違う場合など、人違いを防げる。

・意味のない箇所に意味のない記号や文字があった場合、デザイン段階でのアタリや仮組みが残ってる可能性あるためトル指摘を入れる。

・値段が書いてある場合、税込か税別か書いてなければ補足するようエンピツ入れ。

・場所の名称、特に基地や○○自衛隊の場合、県名と施設名の組み合わせが合っているか必ず確認する。例えば、「航空自衛隊三沢基地」は「青森県」にある。これが基地名が違ったり青森県ではなかったりすると各々の単語は合っているのに組み合わせが違うため誤りとなってしまう。

・戦時下における描写では、「民間企業」とあったら調べる。政府が出資していた場合は「半官半民の会社」となるため。

・「贈る」、使える場面ならばエンピツ出ししてもいい。「お祝いに現金を送る」のような時、元の文が間違いではなくとも示唆OK。

・「〜に渡って」→「わたor亘」、と出してもいい。これも間違いというより妥当性からこちらでは?と問い掛けるに十分なケース。

・時効や無実の罪の人の本名が掲載されている場合は「ママOK?念のため」と出していい。プライバシーへの配慮。

・社名は正式名称に入っていないのならば、変な風にハイフンなりが入っていたらトル指摘してOK(ただ、経営サイト名がそういう名称であってそれを指す場合ならば間違いではないのでチェックはしておく)。

・「若者」と出てきたら年齢確認。たまに40〜50歳を指して若者と表記が出ることも。流石に若者とは言い難い。

・並列表現、羅列表現が来たら仲間はずれに注意。どういう分け方をしているか見て、明らかに併記できない場合は指摘出し。

・キャプションにおける名前、写真に複数名が写っていた場合は並び順のような位置関係とキャプションの名前の順番合わせるようエンピツ出ししてもいい。

・2000年代の話をしていて、’05年とか’00年とやっているところに1900年代の話が出てきた場合、誤解回避のためにも「’29」ではなくて「1929年」とするようエンピツ出ししていい。

・公式書簡とただの書簡では、差がある。公式書簡であれば記録を見て、実際に送ったのか確認を取る。また、言い方をそれっぽくしただけで手紙ではなくメールであった場合は書簡ではなくなるので指摘を入れる。

〜その8へ続く〜

#コラム #校正 #校閲

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