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意図せぬミュージックシェア

 朝、娘にせがまれて、スマホで音楽を流す。「いないいないばあ」や「おかあさんといっしょ」など、王道にして定番の曲たち。寸劇も音楽も一級品で、名アーティストたちが作詞作曲編曲を手掛けていることも多く、聴き応えは抜群だ。

 会社に向かう途中、私も少し音楽を聴こうとYouTubeを開いた。Bluetoothイヤホンを接続し忘れていることに気づかず、スマホのスピーカーから音楽が流れ出す。
 意図せぬミュージックシェアだ。だが、流れているのは「いないいないばあ」や「おかあさんといっしょ」なので、特に問題はない。朝、子どもをあやしてきたと思われるだけだろう。

 もし朝の車内で流すなら「アンパンマンたいそう」が良いかもしれない。心地の悪い徒労感ややるせない悲しみに暮れるとき、この歌詞に救われる人もいるだろう。疲れの抜けない朝の出勤前なら、なおさらだ。

 人によって、朝の車内で流したい音楽はそれぞれ違うだろうな。資料作成に集中している正面の営業マンは、この話を聞いてどう思うだろう。そんなことを考えながら電車を乗り換え、目的の駅に着くまでの間、眠りについた。

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