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神海戦士エルマーレ 第1話「戦士の目覚め」Part5 #エルマーレ

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プロローグ
Part4


(これまでのあらすじ)
フェリー船上で遂に神海戦士エルマーレに変身した海藤碇。<焼却衆>の先兵、オーロックス焼却獣と戦うが敵の猛パワーに苦戦を強いられる。
一方謎の空間で目覚めた奈海は自分とそっくりのペルサと名乗る女性と邂逅し……。


「死ねえぃ!!」
その時、マーレアンカーから碇の精神に呼びかける声が。奈海だ。
(私を武器にして!)(……わかった!)
エルマーレは腰のホルスターからマーレアンカーを抜き放つ。迸る紺碧の光!


「マーレアンカー・ダガーモード!」


その一閃が辺りの炎を吹き払い、オーロックス焼却獣が振り上げた足を斬りつけ火花を散らした!!

「グ、グオォーッ!?」
オーロックス焼却獣の脛に斬撃が入った!これにはたまらず大きくバランスを崩し、たたらを踏んで後退する。
再び立ち上がったエルマーレは白亜の短剣を構える……その刃は海のように青く輝いていた!


「ヌウウーッ……囲め、囲めえっ!!」
焼却獣の怒号を合図に火魂たちがエルマーレの四方を囲み、炎を浴びせかける。しかし!
「トゥリャトゥリャトゥリャーッ!!」
青い剣戟が次々迸り、迫る炎を斬り飛ばしていく!飛び散る火の粉と光が晴れると、エルマーレには煤一つついていない。


「マーレアンカー・アンカーモード!」


碇の指先が白亜の短剣に輝く宝石に触れる。
紺碧の光と共に側面から隠された二枚のブレードが展開、船の錨じみた形状に変形!


エルマーレの背後にいた火魂が腕を振り下ろし、鋭い爪で首筋を狙う。だがエルマーレが速い!「トゥアッ!」振り向きざまにマーレアンカーを振り上げ、爪を受け止める。飛び散る火花!そして……「トゥアーッ!」振り下ろす!青い軌道が火魂を両断、消し炭めいて崩壊せしめた。

残りの手勢が左右から一斉に挟み撃ちにかかる!
「タアーッ!」エルマーレは振り向きざまの回し蹴りでまず一体を吹き飛ばす。さらに右手から押し寄せる火魂に向けマーレアンカーを振るう!
「トゥリャーッ!!」波涛の如き青い光の孤が火魂を三体まとめて両断!その勢いのまま左に向き直ると……「トゥリャーッ!!」光の孤が火魂を四体まとめて両断!残るは正面の一体だけだ。

紺碧の輝きを帯びたマーレアンカーを正眼に構え、エルマーレは電撃的突貫!
「トゥアアァーッ!!」
胴体を貫かれた火魂から蒼い光とともに火花が噴き出し、崩れ落ちる。


たちまち火魂たちは全滅、残るはオーロックス焼却獣だけだ。

「グヌヌヌウーッ……許さんぞ、貴様ァ!!」
呪詛の言葉と共に再び焼却獣の口から火球が放たれる……だが。
「それは俺の台詞だっ!」マーレアンカー一閃!蒼い光の軌道が火球を一撃の下に切り払った。
「何いっ……!?」「トゥアーッ!!」
さらにエルマーレは踏み込む。至近距離の追撃がオーロックス焼却獣の胸板をえぐる!わずかに後退する焼却獣。畳み掛けるように間髪を入れず左フック!「タアッ!」

「グゴオーッ!」
この痛打に大きくのけぞり、二歩三歩と後ずさる焼却獣。太い腕を闇雲に振り回し反撃を試みるがエルマーレはバックステップで悠々と回避、再び両者の間合いが開いた。


「……おのれぇ、もはや炭粒の一片たりとも残さぬぞ……!!」
憤怒の形相のオーロックス焼却獣は大角を赤熱させ、たてがみを炎の如く逆立てる。
蹄がデッキを激しく蹴る音が響く……再び必殺の灼熱突撃を放つ構えなのだ!!



Part6に続く

スキするとお姉さんの秘密や海の神秘のメッセージが聞けたりするわよ。