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神海戦士エルマーレ 第1話「戦士の目覚め」Part3 #エルマーレ

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プロローグ
Part2


(これまでのあらすじ)
海藤碇が帰郷するために乗船していたフェリー「かげろう号」が正体不明の怪人に襲撃され炎上、海中へ転落した彼を救ったのは先日行方不明になった筈の幼馴染、浜乃奈海だった!彼女は碇に力を与え、そして……。


海面から光輝を纏って跳躍した青と銀の流麗なボディを持つシルエットはデッキ上に鮮やかに三点着地。
回遊魚じみた流線形のヘルムに輝くエメラルドグリーンの眼差しを一瞬牛頭の魔人に向けると、そちらに向き直り臨戦態勢をとる!


(今の君は……)(俺は……)
「「神海戦士!エルマーレ!!」」

碇が名乗りを上げる……名乗るべき名は、わかっていた。


だが牛頭の魔人も怯まぬ。
「何だと思えばくだらないこけおどしか。その程度でこのオーロックス焼却獣の進撃を阻む気とは!」
オーロックス焼却獣はマグマの如く赤熱する大角を振りかざし威圧する!
エルマーレは油断なく半身に構える。腰にはマーレアンカー。
(あれは“焼却衆”……祠を燃やしたのもあいつ達の仕業)マーレアンカーから精神に直接声が響く。
(やっぱりか)(でも、今の君なら)……意識が現実に戻る!
「やはり臆病風に吹かれたか、くず肉にしてくれる!」オーロックス焼却獣は蹄を踏みしめ前傾姿勢突撃!大角の直撃を受ければひとたまりもないのは明らかだ。
だが驚くべき事にエルマーレは回避しない。

「ウオリャーッ!!」

野牛そのものの頭部にエルマーレの右掌底がヒット!そのまま突撃の勢いを利用、跳び箱じみて頭上を跳躍し背後に着地したのだ!
「ぬううーっ!?貴様一体何を……」オーロックス焼却獣が状況を把握し振り返るが、遅い!
「トゥリャーッ!!」エルマーレの回し蹴りが腹部に突き刺さる!「グオーッ!?」


「ちょーっと、雲行き怪しいねえ?」「どういうことだ」
この戦いを観察している二者……スキンヘッド偉丈夫のスルトと褐色肌に金髪のペレーが口を開いた。ペレーがスルトを詰問する。
「だってカグツチ様言ってたでしょ?船ブンどって封印の地からブツを回収するだけ、妨害はないってね?今ンなって海の戦士が出てくるとかアタシ聞いてないけど?」
厳しく追及する彼女の言葉に、偉丈夫は目を細める。
「突然出てきたという事は、ぽっと出のひよっこって事だろ。ぶちのめせばいいだけだ」
「アタシもう知らないっと」そっぽを向くペレー。


「タアーッ!!」エルマーレはデッキを蹴って跳躍し、その勢いで焼却獣の胸板にニーキックを叩き込む。巨体がよろめいた!「……おのれ!」
「貴様……なめた真似を!!」着地したエルマーレを丸太の如き太い腕が痛打!
「ウアァーッ!?」咄嗟に転がって受け身を取り、衝撃を逃す。起き上がろうとする彼の眼に映ったのは……赤熱する大角、炎の如く逆立つたてがみ!「ウオオーッ!!」

(……危ない!)その声にエルマーレは手近な貨物コンテナを蹴り、三角跳びで炎を纏った突撃を回避。
その背後ではオーロックス焼却獣が突っ込んだコンテナが次々破砕爆発!


「ぬうう……貴様ら、かかれ!」

その号令と共に爆炎の中から現れたのは……なんという事か、あの赤熱無貌の有象無象たち!それも二体や三体ではない!!
(何なんだ、あいつらは)(あれは火魂(かこん)……炎に邪な意思が宿った焼却衆の手勢)
火魂は一体二体では消火器や放水で撃退される程度の雑兵に過ぎない。


しかし、爆発炎上するコンテナから現れた火魂の数は軽く十体を超えようとしていた!!



Part4に続く

スキするとお姉さんの秘密や海の神秘のメッセージが聞けたりするわよ。