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「ミュージカルは何故”歌う”のか?」(35日目)

■概要。 

「音楽の持つ効能を、”説明の圧縮” と”リピーター獲得”で説明したお話。」

※当時の「西野亮廣エンタメ研究所」の記事を、感想(しるし)を追記して再掲載します。 

■本日の応援者。 

この記事は、「「過去ログ屋」さんの過去ログで、人生に救いとスパイスを♡
プペルミュージカルも絶賛応援中!!byゆっこ」さん
の提供でお送り致します。 

ゆっこさん、応援ありがとうございます!!

■以下、本文。(2020/02/02)

2月2日(日) ※2月4日以降は『いいね』を押さないでください。
こんにちは。
サロンの投稿が遅れた日は、朝から真剣に考え事をしていたか? 二日酔いだったか? で、今日はシンプルに二日酔いだったキングコングです。


さて。
昨日、再び舞台『えんとつ町のプペル』(東京公演)を観てきまして、観劇後にまとめたことを、メモがわりに、ここに共有したいと思います。
(※皆さんの生活にはあまり関係のない内容になるかもしれませんが、こんな回があってもイイよね♥️)


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▼ ミュージカルの役割は何か?
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舞台『えんとつ町のプペル』は、演出家の児玉明子さんからのリクエストもあって、お歌のシーンが比較的多めです(メチャクチャいいと思います)。
タイトルには謳っておりませんが、いわゆる「ミュージカル」に分類される舞台だと思います。
この時、ただ漠然とミュージカルをするのは個人的には好きではなくて、「ミュージカルにした目的は何なのか?」「そもそもミュージカルの役割は何なのか?」ということを、キチンと整理し、言語化し、全員に共有しておく必要があると僕は考えます。

説明力!リーダーの役目!


というわけで、ミュージカルの「役割」について考えてみたのですが、たぶん、以下の2つです。
①物語が短縮できる。
②リピーターが生まれる。
順に御説明します。
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①ミュージカルにすると物語を短縮できる
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ミュージカルに対する疑問の一つに「なんで、喋ってたのに急に歌い出すんだよ!喋れよ!」というツッコミがあると思います。
かくいう僕も、当時はこの疑問を抱いていました。
ただ、ここには「歌わなきゃいけない理由」が明確にあります。

たとえば、
「♪ハロウィンの夜にやってきた 身体がゴミのゴミ人間。えんとつ町は大騒ぎ、酷い臭いさ~」
という歌。


【歌】だと、この通り「二行」で済みますが、
「今日がハロウィンの夜」ということと、
「身体がゴミの人型モンスターが現れた」というのとと、
「そのモンスターは、とても臭く醜く、それによって町が混乱していく様子」を【台詞(会話劇)】だけで表現しようと思ったら、軽く15分はかかります。
まさか客席に向かって、「今日は、待ちに待ったハロウィン!」とは言えないんですね。

吟遊詩人も「歌」で情報を伝聞してたらしいね。

『ハロウィン』であるということを会話で自然に伝える為には、
「あれ? たしか、この辺の引き出しに入れておいたハズなんだけどなぁ~」
「もう!急ぎなよ。はやくしないと始まるよ!」
みたいなところから始めなきゃいけないんです。
つまるところ、1時間半ほどのミュージカルを会話劇にすると、4時間くらいかかっちゃう。
4時間の舞台はツライじゃないですか?
だから「箇条書きの状況説明」が許される音楽にして、時間を短縮しているわけですね。
これが「ミュージカルの役割」の一つです。


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② ミュージカルはリピーターを作る
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これは過去にもお話しさせていただいたと思うのですが、漫才やサスペンス小説と違って、音楽は、「知っている曲であればあるほど楽しい」という性質を持っています。
ネタバレしていた方がいいんですね。


興味深いのがミュージカル『キャッツ』で、『キャッツ』はYouTubeの公式アカウントで、劇中歌をバンバンアップしているんですね。
お笑いだと考えれないですよね。
これから単独ライブでやるネタをYouTubeにアップするなんて。

ところが音楽には「知っている曲を生で聴きたい」という需要があるので、むしろ出していった方が集客に繋がります。

ただ、それには条件が一つあります。それは、「一度生で聴きたい」「もう一度生で聴きたい」と思わせるだけの『名曲である』ということですね。
僕が舞台『えんとつ町のプペル』の音楽にNGを出した理由はそれで、帰り道に思い出せないような曲だと、ミュージカルの二つ目の役割を果たしていないんですね。
プペルが一人になった時に歌うシーンがあるのですが、あそこは絶対に『ウィキッド』でいうところの「for good」を出さなきゃいけないし、『キャッツ』でいうところの「ガス」を出さなきゃいけない。
今回の舞台は僕はあくまで『脚本家』という立場なので、そこまでは口を挟みませんが、映画『えんとつ町のプペル』のような僕が指揮をとる場合に音楽家さんへの発注は、
「舞台袖から観ているセミプロを唸らせる音楽は要りません。目の前のお客さんを巻き込むヒット曲を作ってください。そのことを安く見たり、それが作れないのであれば、僕とやる仕事からは降りてください」
です。

とにかくクオリティ。それもど直球で。逆にそれがあれば、後は大体西野さんが何とかしてくれるかも。

昨日、あらためて思ったのは、もし舞台『えんとつ町のプペル』を再演するのであれば、「ヒット曲ができるまで、プロジェクトを立ち上げちゃダメ」ということでした。
「まずは曲を作ってから」ですね。


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▼ 「リピーター」の話のついでに…
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舞台『えんとつ町のプペル』は映画公開前と公開後で内容を変えるべきだと思っています。
今回の舞台では、映画にも出てくる『異端審問所』(町を支配している人達)の物語も描かれているのですが、『異端審問所』の物語は「そうだったのか!」というサプライズの要素が大きかったりします。

ただ、「リピーターを作る」のことを考えると、回数を重ねるごとに価値が下がってしまう「サプライズ要素」は要らないので、映画公開後の舞台『えんとつ町のプペル』では、『異端審問所』の物語(サプライズ要素)は全カットしようと思います。
つまり、「『オチの切れ味』『ストーリーの妙』で集客しない」ということですね。

この胆力。全力で作ったモノを即座にボツに出来る、未練の無さがイイ!

「『少年が、ゴミ人間と出会って星を見つけるだけの物語』でイイ」という話です。
この調子で、いくつか整理すれば、舞台『えんとつ町のプペル』は何十年も続くコンテンツになりうるなぁと、昨日、あらためて思いました。
今回の舞台が終われば、一度、吉本興業とネルケプランニングさんとニューヨークチームとガッツリと膝を付き合わして、「マジで、どうしていく?」という話し合いをしたいと思います。
現場からは以上でーす。

【追伸】
舞台『えんとつ町のプペル』は絶対に観ておいた方がいいっす。
当日引き換え券を狙って~。


https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=1954710&rlsCd=003&lotRlsCd=


https://www.youtube.com/watch?v=TZ0pXUb5jVU&feature=youtu.be

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■私のしるし。(当時のコメント) 

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■今振り返ってみて。 

この説明力よ…!

西野さんの魅力は無数にあるけれど、中でもこの「説明力」が1番グッとくる。

こういう「腹落ち感」があると迷わないし、チーム全体のやる気も出る。

言語化、怠るべからず!

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