「広告会議も、”役に立つ”→”意味がある”。」(54日目)
■概要。
「わさビーフの広告戦略会議を例に、作り手に思い入れを持ってもらう方が広告に繋がるというお話。」
※当時の「西野亮廣エンタメ研究所」の記事を、感想を追記して再掲載します。
■本日の応援者。
この記事は、「”思い入れ”で今最も適切な方は、こちらの方かも。by中崎雄心」の提供でお送り致します。
■以下、本文。(2020/02/21)
2月21日(金) ※2月23日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
キングコング西野こと、広告代理店です。
2021/09/03にて、今尚説得力を増すハンサム氏。
2文字て。
さて。
昨夜は、約30名のサロンメンバーさん達と『わさビーフ』の新作(2020年9月発売)の味を決める会議がありました。
「わさび強め」「ビール感強め」といった様々な味の『わさビーフ』をパリポリと食べ比べながら、意見を出していきます。
『ガイアの夜明け』で見たことがある光景です。
「ガイアの夜明け」:日本再生を頑張る、ビジネスマンさんのTV番組。
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大切にしたいこと
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昨日の会議に参加してくださったサロンメンバーの皆さんにお話しさせてもらったことで、どうやら今後も「広告代理店業」をチョコチョコやるであろう僕ら(西野亮廣エンタメ研究所)が、大切にしておきたいことが一つだけあります。
それは、
「どれだけセンスが良かろうが、どれだけ面白かろうが、商品の売り上げに繋がらない『広告』は完全にウンコ!」
という線引きです。
『広告』は、クリエイターのセンスをひけらかす為にあるのではなく、商品を売る為にあります。
ところが、昨日のようなイベントや、オンラインサロン内での『意見交換』といった【ユーザー参加型の広告会議の場】では、往々にして、「面白い」や「センス」を前に出できてしまいます。
『斬新なアイデア』(※それほど斬新でもねーけど)がチヤホヤされたりします。
ただ、「センスの押し売り」なんぞは自分の作品(自分の予算)内で各々やるべきだと僕は考えています。
社運をかけて支払われた広告費を受け取った以上は、やっぱり、「売り上げに繋がらない『広告』は絶対的ウンコ」というラインを守った上で、意見交換していきたいです。
結果を出すことが一番の優しさだと思います。
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やっぱ、右上に行かなきゃ生き残れない
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昨日、9種類の『わさビーフ』を食べ比べているうちに、「ここより先の“味の差”に、どれだけの価値があるんだろう?」という疑問が沸いてきました。
「役に立つ」の「味」「機能性」がどうやら臨界を迎えたっぽい。
よくよく考えてみると、僕らは「あのスナック菓子」を目当てに、コンビニやスーバーを選んではおらず、たまたま入ったコンビニやスーパーで、たまたま目についたスナック菓子を選んでいます。
そして、そこで選んだスナック菓子に食べながら、「やっぱり、別のスナック菓子を買っとけばよかったぁ⤵️」と後悔したことがありません。
理由は、『わさビーフ』も美味しいし、他社さんのスナック菓子も、どれもこれも美味しいからです。
もちろん味で選んではいるのですが、「そこまで、味で選んでいないよ」というのが、生産者さんが受け入れ難い、僕たち消費者の本音です。
「これ以上、『味』を追求することに、どれだけの価値(効果)があるっけ?」という費用対効果について疑問を覚えたのは僕だけではなく、昨日の会議では、方々から同じ声が上がりました。
縦軸が「役に立つ」、横軸が「意味がある」の4象限(by 山口周)でいうと、「これ以上、求道者のように【左上】を追求しても、所詮『ドングリの背比べ』で、売り上げには直結しねぇんじゃねぇの?」という疑問です。
下の図でいう、「トヨタ」「日産」の位置。
皆と話し合い、「『役に立つ(美味しい)』は、もう当たり前になって、他社と差をつけにくくなったので、“スナック菓子であろうと”『意味がある』の方(右上)にスライドしていかないと、生き残っていくのは難しい」と結論し、次回の『わさビーフ』会議は、「味を決める会議」から、「どうやって売っていくか?を具体的に決める会議」に急遽変更となりました。
まさかの全員が経営者目線にシフト。もはやお金を払ってまで”建設的”を選んでいる。
「どうやって売っていくか?」を考える方が、議論シロ(参加者のコミュニケーションの余白)があって、会議が盛り上がり、『わさビーフ』に“思い入れ”が生まれるからです。
もし機能性を追っていたら…参加者はTVのコメンテーターのように「批評」だけして、時間も思い入れも浪費されていたかも。みんなが「作り手」になったから「思い入れ」(意味)が培われた。
「味の追求」よりも「思い入れを増やす」にコストを割いた方が、費用対効果は高いよね、というのが昨日参加した皆さんの結論です。
とても面白いところに着地した会議でした。
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まとめ
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人が求めているものは、車であろうと、洋服であろうと、人であろうと、スナック菓子であろうと、サービスであろうと、『役に立つ/意味がある』の4象限の【左下】から始まって、時計回りにグルリと回っています。
もともと馬具メーカーだった「エルメス」の歴史を見ると、綺麗に【左下】から始まり、時計回りにグルリと回って、今は、【右下】にいます。
ちなみに、馬車は「コーチ」とも呼ばれる。組織の成長でも、今は”左上に属するティーチング”から、”右上に移行するコーチング”が重要視される時代になってるね。右下に行くには、”伝説/偉人/歴史”になる必要があるかも。
現在、広告制作の依頼を受けている『キャリオク』も、このあたりを意識して、戦略を練っていきたいなぁと思いました。
この記事を読まれている皆さんのお仕事もきっと。
お互い、頑張りましょうね。
これからも、気づいたことがあれば、バンバン共有していきます。
現場からは以上でーす。
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■当時のコメント。
■今振り返ってみて。
自分、この頃から既に「生きた痕跡」に対して特に意識を置くようになってたな。
世間がようやく右上の「意味」に移行する中で、何故か自分は「右下」を作ろうとしている。
時代が追いつけば、或いは自分も生きやすくなるだろうか?
さて…
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