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何度喋っても”面白いね”と言われる話

すべらない話というわけではありません。
私はただのサラリーマンです。

昨年受講したデータ分析研修の話を社内の限られた人たちに報告したのが始まりですが、以降、さまざまな人に「“あの話”して!」と依頼され、話すたびに「面白かった」「ちょっと相談に乗ってほしい」とか、うれしい反応をいただきます。

この事象を体系立てて説明できたら、どんな話も相手に興味を持ってもらえるのではないか?と考え、その再現性を探るべく思考の整理も兼ねてnoteしました。

受講した研修とは?

わたしが受講した研修は、昨年、NewsPicksというWebメディアが始めた『NewSchool』の1つのカリキュラムです。

“AIを民主化する”ことをミッションとしているDataRobot社のシバタアキラさん(現・日本法人代表)が講師となり、約3か月にわたって実際にDataRobotというAIツールを使い、社会課題解決を模索するという実践的なプロジェクト型の講座でした。

どんな活動をしたのか?

最初の1か月は、データ分析やAIに関する基礎的な知識のインプットと、DataRobotの基本的な操作方法を学びます。そもそもの募集要項に『エンジニアやデータサイエンティストではない』とありましたので、参加者のほとんどは新規事業を担当していたり、コーポレート部門に所属している社会人(サラリーマン)の方々です。

2か月目は、そんな参加者が今度は5~7人くらいのチームに分かれて、それぞれのチームが考える社会課題を解決するためにあれやこれやとプロジェクトを進めていく期間となります。毎週授業で状況の共有やそれに対するフィードバックをシバタさんから頂きますが、基本的には各チームの熱量でプロジェクトが進行していきます。

3か月目は、各チームの活動成果を発表し合う報告会と、今後各自が自社に戻った時に、ここでの学びをどのように活かすのかをプランニングし、シバタさんにアドバイスをいただて、講座が終了となります。

何を話しているのか?

依頼をいただく度に、参加者の層や依頼するに至った目的に合わせて少しだけ発表内容をマイナーチェンジするものの、核は同じです。

・データ・AIを勉強してきました。
・業界問わず様々なバックボーンを持った参加者と出会いました。
・講師はなんとシバタアキラさんです。
・DataRobotを使って社会課題解決を模索しました。
・私たちのチームは『サンマの不漁』が社会課題と捉えました。
・なぜならば、当時、サンマがまったく獲れないと話題だったからです。
・とりあえず、直近のデータを基に翌1か月のサンマ漁獲量を予測するもでるを作りました。
・DataRobotはデータを投入して、ボタンをクリックすれば、とりあえず予測モデルが作れるので、素人集団でもカンタンにできました。
・データは気象庁・水産庁が公開するデータを使いました。
・自分たちでも驚くほどの予測精度を出すモデルが出来ました。
・専門家に作成したモデルの意見を求めるため、八戸にいる専門家にアポを取りました。
・非常にウェルカムで「よくぞ声を掛けてくれました!」的な反応が意外でした。
・専門家の方の話はとても面白く、例えば『外国籍の漁船の乱獲で魚が獲れない』というニュースをよく見るが、それを示したデータはないと説明してくれました。
・むしろ、船は常に身元と現在地がわかる信号を発信しているため、機械を使えばどこに外国の漁船がいるのかわかり、そこめがけていけば魚の群れにたどり着けるから助かっている面もあるのでは?とのことでした。
・そんな専門家からは直近の漁獲量を予測したいニーズは、サンマ漁師にはないと言われました。なぜならば…
・①サンマ漁の船は10人程度のクルーが必要。
・②クルーの募集は1年前に実施。
・③クルーを雇っている以上、その日の状況がどうあれ出漁せざるを得ない
・④そもそも不漁時には、その分の経済損失を補填する共済制度がある
・以上4点を理由にニーズはないとのことでした。
・また、ニーズがあるとすれば、流通・小売業界ではないかとアドバイスもいただきました。
・サンマは庶民の魚であるため、たとえ不漁で卸値が高くても、その価格をそのまま小売値にすることはできない。
・つまり、たとえ1尾1万円で仕入れても、1尾100円、200円の設定をしないと誰も買わない。その価格差はサプライチェーンのどこかで吸収されているはずだから、漁獲量を予測することのニーズがあるのではないかということでした。
・私たちは専門家のアドバイスに深く納得し、サンマのサプライチェーンを見直し、予測の需要がありそうな領域を再検討しました。
・その結果、不漁の場合に経済的損失を補填する共済制度の運営体が、一番ニーズがあるのではないかという結論に至りました。
・事実、不漁により共済制度の財政が傾きつつあることが新聞にも取り上げられており、最初はふざけ半分で『サンマ=社会課題』なんて言っていたのが、だんだん本格的に『社会課題』を捉えられるようになりました。
・共済制度は毎年更新で、加入タイミングは1年前。
・つまり、共済の運営体は、翌年の豊漁・不漁のトレンドを読んで保険料率を設定しているはずで、漁獲量の予測ニーズは確実に存在すると確信。
・改めて、1年後の漁獲量を予測するモデルを作り直しました。
・モデルの再作成と共に、使用するデータも専門家の方のアドバイスを取り入れ、サンマの漁獲量と負の相関があると思われている”マイワシ”の漁獲量をデータに加えたり、サンマはハワイ沖で生まれて日本近海を回遊するため、ハワイ沖の気温や水温などのデータも加えました。
・結果はというと、精度は全然よくありませんでした。
・漁獲量6,000㌧を超えると途端に精度が悪くなります。
・それはすなわち旬な時期の予測ができないということです。
・つまり、豊漁・不漁を左右する決定的な要因を捉え切れていないことになります。
・私たちの活動はここまでで時間切れ。
・専門家の方でさえ、サンマの不漁の真因については追及しきれていないとのことだったので、そのあたりが解明されてくれば、精度向上を見込むことが出来ると思いますと、成果報告会で報告。
・「失敗しました~」という報告だったが、成果報告会の審査員を務めるDataRobot社社員の方々から表彰されました。
・「まさか専門家にまでアプローチするとは…」というコメントをいただき、結果ではなく過程が評価されたのだと思います。

大体、この内容を20~30分でいつも話してます。

この話の面白ポイントはどこか?

・社会課題のテーマが『サンマ』だったところ?
・サンマにもデータにも素人の集団が知識ゼロで活動する様子?
・サンマの専門家に聞いたトリビア的な話?
・想定と実際の乖離?
・仮説検証をする様子?
・最終的にできなかったで終わっているところ?
・プロセスを評価されたこと?

話を聞く相手によって、どれも選択肢としてなり得そうです。

何か別の決定的な要因がないか?

例えば、投影するスライドがカッコよく仕上がっているかというと、まぁ、文字ばかりではないですし、レイアウトやフォントも気にしてますが、グラフィカルで視覚に訴えるような代物ではありません。

話し方?どちらかというとプレゼンは得意で、資料を読み上げるのではなく、紙芝居を聞かせるくらいのつもりでいつも話してはおります。が、話し方が要因なのであれば、この発表に限らず、私が行うすべてのプレゼンがそう評価されるはずですが、そうでもありません。(それはそれで悲しい事実…)

結局、なぜかはわからずじまい…

まぁ、そういうものかもしれませんね。

狙って投稿した写真よりも、適当にとった日常の写真に多くの「いいね!」が付く。
あるあるですよね…。

だれか、科学的に説明してください!!

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