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AAEE"日本―ベトナムオンライン交流プログラム(最終章)「やり遂げた!」

大瀬「1週間のベトナムプログラムお疲れ様でした。初のオンラインプログラム、終わった直後ですが、結末はいかがだったでしょうか。先生の声からは少しお疲れの様子が伺えますが、、」

正直、まだいろんな思いが頭を駆け巡っていて整理できていないのだけど、終了直後だからこそ伝えられることもあるよね、きっと。頑張って率直な思いを話していこう。
一言でいうと「拍手喝采」。僕の心の中ではプログラム終了後もしばらくの間拍手が鳴りやまなかった。とにかくプログラムに関わった全員が全力を尽くした大作品が完成したと感じた。コロナ禍の中で、これほど前向きに立ち向かった一人一人に賛辞を贈りたい。


大瀬「紆余曲折の末に最後は何とかなるのがAAEEですよね(笑)。私はこのプログラム、きっと最後はうまく終わるだろうと信じていましたよ。」

最後のアウトカムプレゼンテーション・コンテストに関して言えば、グループによって準備状況の差があったのは否めない。できる限り最強の準備をして臨んだグループもあれば、明らかに準備不足のグループもあった。でもそれはこのプログラムに限ったことではないよね。各自がこの経験から満足したり、反省したりして今後に活かせばよい。
それよりも大事なことは、皆が今出せる全力を出し切っていたことなんだ。プレゼンテーションやその後の質疑応答を見ていてよくわかったよ。本気を出している集団独特の「美」を見つけたんだ。これに関してはオンライン上でも“見えた”。

大瀬「『美』ですか。これはまた、そこにいなかった私には想像するのが難しいですね。」


そう、 “現場にいなければわからない”ってこのことだと思う。僕の心とあの空間がシンセサイズして美しい「音楽」が心の中に流れてきた。参加学生たちはプレゼンで必死だっただろうけど、僕にとっては50,000円のコンサートよりもずっと感動する時間だった。

大瀬「とても深いですね。先生が感動したことは伝わってきました。ただ、先生は昨日の対談で、『参加者がどう捉えるかが大事』という趣旨のことを仰っていましたが、その観点ではいかがでしたか。」

これについては、一人一人の本音にたどり着けない限り真相はわからないので今は何とも言えない。これがオンラインの難しいところなんだよ。大学教員と電話でマンツーマンで本音を議論をしたい学生なんて普通いないでしょ。僕とよく電話をしている朝楓や他数名の学生は『変人』(笑)。でも、はっきりと言えることがある。『みんなで創り上げたプログラム』だということ。その証拠にプログラム前の日程表や準備スケジュールと、実際のプログラムの内容は相当に異なるものになった。プログラム開始後、参加者の様子や意見を考慮してオーガナイザーが連日粘り強く話し合いを重ねた。その結果、夜遅くに急なスケジュール変更の連絡がLINEで流れてきた。変更がない日の方が少なかったんじゃないかな。

大瀬「プログラムの内容変更は、AAEEお馴染みじゃないですか。あの変更は慣れないと戸惑いますよね。ブログでもお話しした「フレキシビリティ」が求められますね。」

旅行会社主催の団体旅行だったら、苦情殺到だろうね(笑)。特に今回は「やってみなければわからない」状態で準備を始めた中で、意欲的な参加者から様々な意見がやってきて、その都度オーガナイザーが意見を取り入れて修正していったんだ。両国間の目に見えない温度差だけでなく、各国メンバー内でも温度差は生まれてきたから、大変な作業だったと思うよ。
朝楓が述べたように、AAEEのモットーの一つ “Be flexible”。臨機応変さ。


・計画通りにやった結果を受け入れる。
・計画を変更してでもベストの結果を追求する。

AAEEでは間違いなく後者を選んでやってきた。特に、今回は経験のないオンライン交流プログラムの強硬、計画通りにいくはずがなかった。最強のフレキシビリティを発揮した結果としての度重なる変更だったんだ。それを参加者がどう受け止めたか。これも直接聞いて見ないとわからないけど、後半は苦情のようなものはなく、逆に日を追うごとにメンバーのパフォーマンスの質が上がってきた。

大瀬「前回も言いましたけど、たぶん、参加学生の皆さんは状況がよく見えていたのだと思いますよ。先生が仰る「プログラム空間と『心』のシンセサイズは、参加者の中では結構早い段階で始まっていたと思いますよ。もし私だったら、どんなにプログラムに問題があったとしても、大学生のためを思ってプログラムを決行してくれたことだけでとても感謝しますよ。貴重な夏休みの学びの場になるのですから。しかも、これだけ手を尽くしていながら無料(笑)。」

そうだといいのだけど。
閉会式の時の皆の発言や、その後の国別に分かれてのミーティングを聞いている限りでは、このプログラムは大変素晴らしいものだったという発言ばかりだったのだけど、あの場で「このプログラムに参加して後悔している」などとは口が裂けても言えないでしょ(笑)。きっと、真相はこれから少しづつ明らかになっていくんだろうね。

大瀬「今回のテーマ、『教育』についてはいかがだったでしょうか」

僕はこれについては結構前向きで、「教育について考えるきっかけづくり」にはなったと思っている。やはり、バックグラウンドは違えど同年代で一生懸命頑張っている学生とガチで交流するというのは大事だと思うんだ。彼らと交流を深めれば深めるほど彼らの人となりや自分との違いが見えてくる。その彼らの言動がどのように形成されてきたかと言えば、彼らを取り巻く文化や教育の結果でしょ。「違い」はどこからくるのか・・・。突き詰めて考えれば「教育」の観点に目が向いてくると思う。今回の参加者は、プログラムを通していろいろと感じたことがあると思うよ。少なくとも僕から見ると、学生たちの活動の取り組み方には、それぞれが受けてきた教育の結果が色濃く反映されていた。
ただ、両国の教育について真正面から議論を深めることができなかったことは大きな反省点。コロナの様子を見ながら、ベトナムの関係者と対応を引き続き検討していくつもりだ。

大瀬「この部分は報告書である程度表現されるのではないでしょうか。私自身、ネパールに行ったときもベトナムに行ったときも、プログラム最中はとにかくついていくので必死で一つ一つの要素を落ち着いて考察するほどの余裕など全くありませんでした。でも帰国して、落ち着いて考えたり、ネットなどで色々と調べていくうちに「なるほど」と腑に落ちることが何度かありました。AAEEメソッドの一つである『交流』➡『熟考』➡『言語化』学びのプロセスに強く共感させられました。」

そう。プログラムは終了したけど、彼らの学びはこれからしばらく続いていく。『熟考』➡『言語化』は「交流を通じた学び」を深化させるのに不可欠。報告書のテーマは自由だから、書く内容も表現方法も自由。今から楽しみでならない。

大瀬「私も今から参加学生の報告書を読めることがとても楽しみです。それから、11月の報告会も楽しみですね!
最後にAAEEの今後に関わることなのですが、、、AAEEで活動したいと言い出す学生はいましたか。学生主体の団体として、毎回プログラムに参加した方を学生アシスタントとして獲得していくのは死活問題ですが。(笑)」

これも、いつものプログラムと勝手が違ったんだ。この団体は、超自由な雰囲気の中で互いの信頼関係で成り立っているでしょ。さらに「やりたい」と思った人だけが集まっている。対面型プログラムならば、プログラムを通じてその雰囲気を理解してもらうことができるんだけど、今回はそれが超難しかった。各々で会話できる時間もあまりないしね。
でも、少なくとも断言できることは今回の参加者は全員有資格者。彼らはどの団体に所属しても活躍できる人達だよ。首都圏には面白い団体が数多くあるからね。そんな中でもAAEEで活動してみたいという人が言ってくれる人がいるのであれば、最高だね。それは高望みしすぎかな。(笑)

大瀬「次は今月末からのバングラデシュ・プログラムですね。念願のバングラデシュでの初開催プログラム。こちらも最強メンバーが集まったとお聞きしていますが、今後の進捗を聞けるのを楽しみにしています。
改めて、ベトナムプログラムお疲れ様でした。参加してくださった学生の皆さん、運営を一生懸命頑張ってくれたアシスタントメンバー、ベトナムオーガナイザーもお疲れ様でした。」

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