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AAEE"日本―ベトナムオンライン交流プログラム途中経過 (3) 思わず涙した

大瀬「本日もオンラインプログラムお疲れ様でした。1週間のプログラム、早くも明日で終わりですね。通常の2週間プログラムの場合、ここからがAAEEの本領発揮なのですが・・・今の率直な感想は(笑)。

正直、目が疲れる(笑)、ずっとパソコンと睨めっこ、身体的には不健康極まりないプログラムだね。オンライン授業に明け暮れる学生の気持ちがよくわかった。さらに、全く体を動かしていないのに超疲れる。しかもずっと見られているから笑顔でいないといけないし。これほど長時間スマイル状態は人生初かもしれない。

大瀬「合間合間に体動かしたりしていないと体が固まってしまいますよね。6日間運動ゼロですか。」

いや、僕の部屋にはウォーキングマシーンがあってね。夜中にそれに乗って歩き続けるんだ。昨夜は15,000歩も歩いたよ(笑)。

大瀬「15,000歩ですか驚異的ですね!ところで話し戻しますね笑。ベトナムオンラインプログラムはその後いかがですか?」

一昨日に朝楓と話し合って、かなり気持ちに整理がついた。で、いろいろな制約があるけど原点に戻ろうと思ったんだ。AAEEのモットー。Never give up and try your best! (あきらめずできることはすべてやり切る。)オーガナイザーや参加学生たちは夜中まで必死に努力しているからね。僕もベストを尽くすべきだと思った。ただし、僕に与えられた機会は一度だけ。
昨日の朝一番に、「日本の教育事情」についてプレゼンをしたんだ。内容はあらかじめ準備をしてあったんだけど、「これが僕が一番伝えたいことか?」と自問したらそうではなかった。だから急いで一から作り直した。参加者が活動している様子を画面上で見ながら少しずつ思いを綴っていったのだけど、出来上がったものは僕の“心の闇”に迫る非常にやばい内容になってしまった。

大瀬「それは、私が知っている話ですか。」

いや、朝楓は知らないと思う。ウーン、あそこまで詳しく話したのはたぶん初めてのこと。こんなことを国際交流プログラムの最中に話していいのかと僕自身な迷うほど暗い話。でもね、前回話したでしょ。オンラインプログラムではコンテンツがすべてだと。オフラインの時以上に心に迫るコンテンツでないと響かないと思って必死に準備した。思い出したくないような過去をさらけ出す内容だったから、夜に書き終わったときには心底疲れ果ててしまったよ。
読み返してみて、「これはスピーチだけだと伝わらない。パワポスライドが必要だ」と思って作り始めたのだけどもはや力尽きた。そしたらベトナムのリーダー、Phuong(フン)が忙しいのにパワポを作ってくれるというんだ。神様に見えたよ。

大瀬「えー、私も聞いて見たかったです。どんな内容だったのですか。」

ここでは絶対に言えない。ブログの記事になるから。昨日も、話す前に録画禁止、SNS共有禁止を厳命した。それほどプライベートな話。
しかし、あの話をしたのはコンテンツを充実させたかったからだけではない。このメンバーならば「通じる」と思ったし知っておいてほしいと思った。結果として彼らがどう捉えたのかは不明だけど、僕としては「これで僕ができることはすべてやった!」とベストを尽くした達成感があった。後悔は全くない。

大瀬「話がよく見えてこないですが、先生の熱い思いはきっと学生に通じたと信じましょう!」

実は僕は昨日、胸がいっぱいになって涙が止まらなくなる経験をしたんだ。思いがけないことだった。午後の活動で「タレントショー」というのがあって、参加者一人一人が自分の得意技を披露した。

大瀬「それ、超ベトナムっぽい活動ですね。私が行ったときもその類の活動満載でした。泣く場所ではない気がしますが・・・」

その中で一人のベトナム学生が、日本語の歌を披露してくれたんだ。その学生日本語を本気で勉強しているので発音完璧。歌ったのは「海の声」。「この歌を僕のすきな人に届けます」と前置きして熱唱した。

…………………………
空の声が聞きたくて
風の声に耳すませ
海の声が知りたくて
君の声を探してる

会えない そう思うほどに
会いたい が大きくなってゆく
川のつぶやき山のささやき
君の声のように感じるんだ
目を閉じれば聞こえてくる
君のコロコロした笑い声
声に出せば届きそうで
今日も歌ってる
…………………….

奇しくも昨日8月14日は、コロナ禍がなければVJEP 2020 (ベトナム-日本学生交流プログラム)の開催初日。この日のために昨年11月から準備をしてきたんだ。みんなで一生懸命取り組んで来ただけに、会えなくて悲しい、悔しい、会いたい、いろんな気持ちが一気に湧き出てきたんだ。大爆笑している学生たちとは相当な温度差があったけどね。オンラインで頑張ろうと割り切っていたつもりだったけど、心の中では相当に未練が残っていたんだろうね。

大瀬「先生の気持ちが伝わってきます。AAEEのメンバーの中には同じことを思った人もいるかもしれないですよ。みんな結構必死ですから。でも、オンラインでは起こりにくいと先生がおっしゃっていた『感動』を先生自身が経験できてよかったですね。」

いや、このプログラムは僕のためのものではなく参加者のもの。彼らにとってこのプログラムがどう写っているかがすべてだよ。何度も言うけど両国の参加者もオーガナイザーもみんな真剣に取り組んでいることがわかる。後で映像資料を見せるけど、熱がひしひしと伝わってくるんだ。朝楓と僕がこうして話している今も、彼らは明日のアウトカムプレゼンテーションに向けて必死に取り組んでいる。
日本学生貴重な夏休み期間を、ベトナム学生試験期間にもかかわらず、このプログラムに時間を割いてくれている。それに少しでも応えることができているのかどうか・・・。

大瀬「最終日にアウトカムプレゼンテーションなのですか?」

そう。1週間に短縮した分、2日分のプログラムが一日に凝縮されている。いつもならアウトカムプレゼンテーションを終えたら夜を徹してのパーティーなんだけどね。あっけない幕切れとなってしまう。でも、何を言っても状況を変えることはできないからね。最後までベストを尽くすだけだ。

大瀬「お別れ会の手順まで入念に検討した二年前のベトナムプログラムが懐かしいです。でも今年のメンバーも、別れ方の大切さはわかっていると思いますので、きっと素敵な終わり方になると思います。結末をお聞きするのを楽しみにしています。

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