命名「fontac」。フォントを用いたアクセシビリティを提案します。
UDフォントが一般的になってきました
Webフォントが日本語でも実用的になってきて、UD(ユニバーサルデザイン)フォントがよく使われているそうです。
UDフォントは、漢字の内側を広く取り、文字が見づらいひとにもつぶれて読みにくくならないようにしたり、6や8などのシルエットを変えることで見間違いを防ぐなどの工夫がされています。
これは、Webのアクセシビリティ、つまりさまざまなひとがアクセスできるようにする意識が、フォント選択のときにUDフォントを選ぶ後押しになっているのだと思います。
フォントの種類によって読みやすさが異なる
一方、学習障害の特性の1つに、フォントの種類によって文章の読みやすさが異なることが、研究や本人たちの証言で明らかになってきています。
あるひとは、明朝(縦線が細く、ハネがあるフォント)を見ると「尖がっていて怖い」と感じるそうです。
他方、ゴシック(縦横の線の太さがほぼ同じで、ハネの少ないフォント)では読みづらく、明朝がよい、というひともいます。
また、昨今は線の細い”シュッとした”フォントが主流ですが、それだとかすれて読みにくいというひともいます。
英語圏でも、セリフ体(明朝と同系)とサンセリフ体(ゴシックと同系)で、長年、読みやすさの比較がされてきているようですが、ひとによって異なる、という結論だそうです。
文字サイズ変更ボタンのようにフォントを変える
印刷物の場合、このようななか、どれかを選ばなければなりませんが、Webの場合は利用者に選択してもらうことが可能です。
実はブラウザーの設定などで利用者側でフォントを変えることができるのですが、そんな特殊な方法を知っているひとは多くはいません。
ちょうどこれは、以前、ブラウザーが拡大・縮小ができなかったころに、webに「文字のサイズ変更ボタン」があったのと似ています。
今でもIE(インターネットエクスプローラ)には、文字サイズの変更メニューがありますが、その機能を知らなくても、Web上のボタンで文字サイズを変更できるように配慮していました。
そこで次の方法を考えました。
・フォント変更ボタンをWebにつける
例えば、(文字サイズ変更ボタンのように)Webのヘッダーに下記のボタンをつけるわけです。
ゴシック | 太ゴシック | 明朝 | 太い明朝
このボタンにより、最初はゴシックで表示されていたWebを1クリックで自分が読みやすいフォントに変更をすることが可能になります。
命名「fontac」
このように、フォントにおけるアクセシビルティを考えることを、font + ac(cesibility)で、「fontac」(フォンタック)と命名し、上記のボタンを「fontacボタン」と呼びたいと思います。
Webのアクセシビリティでは、「インクルーシブ」(包摂)という考え方に進化していっていますが、2~3%いると言われている文字を読むことが困難な「すぐ隣にいる」ひとにも対応していくことが、求められている時代です。
"fontac"は、フォントを使ったインクルーシブデザインの方法と位置付けられます。
ここのアイデアは無料で読めますが、「投げ銭」歓迎です~