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ビル&テッド

■いい人すぎるアクションスター


雰囲気やマイ・プライベート・アイダホのイメージからもの静かな人という印象なのですが、希代のアクションスターでもあります。
ご本人もサニー・千葉主演の「激突殺人拳」の大ファンで来日した際に千葉真一と対面したときに千葉真一のことを「師匠」と呼んで感激したと言うエピソードが語られていたりします。
そんなことからもアクションへのこだわりや愛情も感じられるので、アクションを演じていてもツボを得ている感じがしますよね。
見た目超マッチョでは無いですし肉体の存在感で画面を持たせる役者さんではないと思うんですが、ちゃんとかっこいいところがキアヌの自信がアクションのかっこよさを理解してるからできる演技なんだと思います。
まさにアクション俳優として、どう動けば、どう決めれば、かっこいいかを熟知された千葉真一さん的ですよね。
そんなアクションスター、キアヌ・リーヴスですから「スピード」「マトリックス・シリーズ」「ジョン・ウィック」とアクションヒット作も多く、もうハリウッド・セレブなのは間違いないんですが、その飾らない雰囲気は容姿だけにとどまらず、普通に地下鉄に乗ったり、そこいらの公園で普段着で散歩したり、そこでホームレスと談笑したりするだけでなく、故障した車をわざわざバイクから降りて押してあげたり、と本当に飾らない良い人だと思わせるエピソードが多いことでも知られています。
顔の雰囲気とかちょっと東洋的でもあり親近感もあって好きな俳優さんです。

■ビルとテッドの大冒険


多くの映画に出演しているキアヌですが、自らベースを弾いて音楽活動も行っていたりするようです。ロック音楽を感じさせる映画としてはスピードのテーマ曲をビリーアイドル&スティーブスティーブンスがやっていることが印象的ですが、その他、変化球的にはビル&テッド エクセレント・アドベンチャー(邦題ビルとテッドの大冒険)でしょうか。
このビルとテッド内容はほんとくだらないお馬鹿コメディーなんですが、ノリが80年代の後期って感じで、正に同年代、同世代のノリが妙に親近感がわくというか、愛すべきキャラクターを演じるキアヌ・リーヴスになっています。
キアヌ演じるテッドとキアヌの親友アレックス・ウィンター演じるビルはティーンエイジャーのお約束、ロックスターに憧れると言う設定もあり、劇中でエアギターというかエアタッピングまで登場するちょいこだわりもツボにはまります。
やはりこの世代のギターヒーローと言えばエディ・ヴァン・ヘイレンに違いありません!物語の冒頭、ガレージでエレキギターを弾きまくるビルとテッドはその様子をビデオに撮影してMTVで流してもらう、エディ・ヴァン・ヘイレンに来てもらってロックスターになると言う絵空事を語ります。そしてそのガレージにはしっかりとVan Halenのポスターが貼ってあって、当時19歳のキアヌ演じるテッドが着ているTシャツもVan Halenの1986年5150ツアーのものと、細かいディティールにこだわりが見られてお馬鹿映画ながらとても好感が持てたりします。
和訳や吹き替えのセリフもうまくないのでわかりにくいですが、中世の英国でつかまって拷問にかけるときに「アイアンメイデンにかけろ」と言われビルとテッドが顔を見合わせ「メタルだ最高!」とエアギターかましたり、ソクラテスを紹介するのにオジー・オズボーンを引き合いに出したいとちょいちょい小ネタ挟んでるところも良いです。
脚本構想の段階ではエディ・ヴァン・ヘイレンにも出演してもらおうと言う事だったらしいんですが、やはり予算の関係で断念されたそうです。
その代わりと言ってはなんですが、当時凄腕ギタリストとして知られるようになっていたStevie Salasが劇中でテクニカルなギターソロ弾きまくる腕のアップのみが写っています。
チープなバック・トゥ・ザ・フューチャーだと思って見ると許せもなくもない映画だと思います。私が最初に見たのはテレビ東京の午後のロードショーだったんじゃないかなと思います。そーゆー映画です。

■80年代のギターヒーロー


ビル&テッドは2人の若い俳優の掛け合いも受けて、続編も作られたり、アニメ化されたりするヒット作になりました。
いい人俳優キアヌは自分がビックネームになったことでこのお馬鹿映画を黒歴史として抹殺するような事はありません。
ビル役のアレックスインターとはずっと親交していたと言うこともあったのでしょうか、第3弾の制作について常に前向きだったとようです。
その第3弾そして約30年ぶりの新作が『ビルとテッドの時空旅行』として公開されたのです!キアヌもノリノリで演じているとか。その第3弾制作時には実際にエディ・ヴァン・ヘイレンに出演のオファーがあったとか、残念ながら出演されていませんが、それもエディが闘病中であったこともあるのかもしれません。
残念ながら、エドワード・ヴァン・ヘイレンは2020年の10月6日にお亡くなりになりました。享年65歳、まだまだ亡くなるには早い年齢だった思います。
エディ・ヴァン・ヘイレンの凄さは楽器の演奏ができない私のような人間にもわかるくらいのわかりやすい凄さでした。
タッピングの独創性だけではなく、その音を聞けばエディが弾いているとわかる独特のトーン。曲もそのイメージから底抜けに明るいと思われがちですが、少しウエットにメロディーを組んでいたり、オランダ系で父親がクラシック音楽のクラリネット奏者であったと言う執事やピアノで作曲すると言うなことからも、音楽的な基盤はすごくしっかりしてるように感じます。
カバー曲がどれもVan Halenの曲に聞こえたり、ものすごいハードでテクニカルの曲をやっていたり、独創的なアイディアだったり大人の雰囲気のオーソドックスなロックであったり、すべてあの笑顔で演奏されるとわーっと気持ちが持ってかれるような感覚になります。まさに天才とかカリスマとかそういう言葉が似合うアーティストでした。
私自身はキャリアを通してVan Halenは好きですがやはり80年代のギターヒーローと言えばエドワードVan Halenをおいて他にはないと思います。

■ 5150ツアーTシャツ


と言うことで、今回は好きな俳優と好きなギタリストの接点といったらいいのでしょうか、ビルとテッドの大冒険の中でキアヌ・リーヴス演じるテッド・ローガンが劇中ずっと着用している、まぁ物語は1日の中で起きる出来事なのでずっと着ているんですけれども、Van Halenの1986年の5150ツアーTシャツです。
Van Halenはシングル曲『ジャンプ』収録1984年リリースの『1984』アルバムが大ヒットして一気にアメリカンロックバンドの頂点に立ったのですが、ボーカルのデイヴ・リー・ロスが脱退して「一体どうなる?」とファンは固唾を飲んでバンドの動向を伺っていたのですが、なんと元モントローズのサミー・ヘイガー新加入。バンド自体ものすごく安定感を増してアルバムの制作に入ったようです。
そこでリリースされた『5150』アルバム。この「5150」は囚人番号らしく、エディは気に入ってギターにナンバリングしたり、自宅のスタジオもその名前にするほどでした。その気合の入った『5150』アルバムの出来も素晴らしくバンド初の全米ナンバーワンとなったアルバムです。
私もVan Halenのアルバムではこのアルバムが1番好きかもしれません。高校生の頃地元の友人とこれを聴きながら過ごした夏の日を思い出します。本当によく構成されたアルバムです。
ナンバーワンバンドのナンバーワンヒットアルバム、これに伴うツアーも大盛況でその様子はYouTubeなんかでも見ることができます。私と同じ年頃のキアヌ・リーヴス演じるテッドもきっとそんなVan Halenの『5150』を聴いて興奮、コンサートにも行って大盛り上がり、Tシャツを買って、お気に入りとして着ていたなんていう隠れた設定を想像したりします。
新メンバーのサミーを中心にメンバーが拘束着を着せられているのは5150が囚人の番号だからでしょう。
私の持ってるものも当時のもので、劇中キアヌが着ていたものと同じデザインのものだと思います。
今回は大好きな俳優と大好きなギタリストのお話でした。

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