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The Artist's Way

最近読み終えたJulia Cameronさんの本、Artist's Way.

どうしてこの本にたどり着き、読み出すことになったのかはよく覚えてないのだが、確か本は偶然に目に止まったといってもいいだろうか。なぜなら、最初に購入した本は、Juliaさんのその後の本だったからだ。そのタイトルは、It's never too late to beginです。

実はダンサーとしてはもう次のステップへ移ろうというタイミングなのは自分でもわかっています。まだまだできると他人に言われようと自分の思うパフォーマンスができていない。多分、違う表現でならダンスも続けられるかも知れないが、それでは何か違う気もしているからだろうか。

振付けをできていたのも運がよかったのだろう。それから私生活でも色々あり、今はあまり楽しく無い時間が過ぎている。コロナも勿論関係しているとは思うが、それよりも人生はもっと深くて暗い。そう、もう何年も天を見ていない気分なのだ。


そういう精神でもあったため、多分俺は何も手を付けよう(創作)とはしなかった。いや、できなかった。想像はできない、何をやっても後手に回ってしまう、兎に角いいものを作らないとと頭は面白く無いことばかりを考えているようになっているのだ。

これではどんなにアイデアを浮かばせてもやろうという気にはならない。だって面白く無いんだから。そしてこの本を1ヶ月ほど前から読み出した。英語の本で200ページを超えるモノを読んだのは久しぶりだったが、なぜか読まないといけないと思ったのだろう。途中からは最後までほぼスムーズに読んだのだから、何かが自分の胸に刺さったのもある。


そこでやはり思ったのは、自分が言いたいことを創らないとだめだってことだろう。

「え、そんなの当たり前なんじゃないの」というかも知れないが、そうはならない。俺は今までプロとして舞台に立ってきた。変なものは見せれないという気持ちでやってきたのだから。

しかして本当はそうではない。自分の中に潜ってみて、本を読み出してそして朝にノートを書くようになってわかったのは、自分の意見なんて誰も聞きやしない。だから言っても意味がないと逃げている自分だ。

これが俺にとって本当に辛い日々の始まりだった。自信を持たないように謙虚にしなければと自分を押し殺し、結局は芸術家としては枠の中でしか活動できない頭になっていた。作品を作ろうにも本当に自分が表現したいものも節度をまず最初に考えるから何も面白く無い。


それともう一つ、スポーツとなる芸術の悲しみだ。

あらゆるモノがスポーツになると勿論、コンペティションが生まれる。勝負をし、技術があれば勝ち、いい学校に行き、そして技術を磨く事に重みを置いただけの人はプロにはなれないという末路。なんて悲しいんだ

それを感じたのがクライミングをやっていたときのことだ。クライミングの楽しさがオリンピックを通じて広がりとても良かったと思う。しかしそれに伴い、技術と力強さだけが強調される傾向にあり、ジムでの楽しみが課題にとても少なくなってきたと感じてしまった時だった。


やはり楽しさは二の次ですか?芸術も結局のところスポーツになるんですか?美しさは画質さえ上がればいいんですか?

勝負の楽しさは勿論ある、それでも芸術の面白さ、内容の面白さ、無駄の中に息づく一瞬の輝き。多分、俺が面白く無いと感じていたのはそういう所がないからなんだろうと感じてしまった。


だからもう間違うことを選択しなければと思う。こういう言葉は抜粋すると意味が変わってきてしまうから怖い。しかし、自分の中で処理をし、行き着いた所でやっと解釈できる言葉がある。これは考え抜く以外ないのだろう。

本のいい所だけを読んでも全体を読まないと意味が取れない内容があれば、それが本当に美しく面白い作品となるだろう。残念ながら、俺はそこを目指さないとダメなんだと感じた


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