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story つばめ堂書店
つばめ堂書店は古書店である
店の裏手に小さな庭があって
コーヒー好きの店主が
気まぐれに野菜や花を育てている
店は古い街並みから少し離れた
木々の多い場所にあった
小窓に仄かなランプの灯
骨董やら古本やらが
風景の様に並んでいる
軒下には今年も
つばめが来て
巣作りをしている
この店の名の所以である
ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。