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poem 海は聴く

海は静かに
聴いていた

イルカが仲間を
呼ぶ声を

海は静かに
聴いていた

カモメが空を
飛ぶ声を

海は静かに
聴いていた

満月の夜に
海辺の家で
生まれた
小さな子の声を

ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。