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story A Lone Wolf

森に一匹の狼が住んでいる
日のある内は木陰に休み
闇が森を包む頃
そっと水辺で喉を濡らした
狼は自分を
木の影と同じだと思っていた
何を思う必要も無い
影は黙ってそこにいる
静けさだけが
あればいい
それ以外のものは
どれも余計なことだった
この静寂が
私なのだ
世界の外にいて
静かに世界を見ている
私はこの木の影と同じなのだ
孤高の狼
誰と交わることもなく
ただ静寂を愛した
耳に届く風の音も
いつもどこか遠い世界
A lone  wolf 
静けさだけが
あればいい
あの木の下に横たわる
黒く静かな影のように

ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。