poem 旋律
荒れた空から降る霙
瞼を閉じて立つ岸壁に
風が下から吹いてくる
長い年月
深い暗闇
湿った道を歩んで来たのは
光を拒んだ孤独な魂
闇の匂いを嗅ぎながら
私に触れる黒い翳
それは私を愛していたのだ
信じたものは孤独な言葉
言葉は細い雫になって
私の心に染みていく
言葉は紡ぐ
孤独な光の旋律を
私の心は聴いている
孤独な光の旋律を
ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。