動物実験は必要か?

大学、大学院と実験動物学を専攻した私が動物実験についてお話します。

このnoteを始めた理由も、動物実験について詳しく書いている人がおらず、

むしろ反対派が多くいるような現在の状況に対して

つっこみたい (つっこまなければ我慢ならない!) と考えたからでした。


まず、皆さん動物は好きですか?

自分は大好きです。 (人間は苦手ですが…)

動物が好きだから、動物に何か貢献したい、そのような気持ちがあります。

自分もその一人です。

これは私の文章を読むうえで、前提として覚えておいて欲しいことです。


では、本題へ入ります。

現代の動物愛護者の中には動物実験者のことを

動物の命を弄ぶ、"人でなし"だと語る人がいます。

本当にそうでしょうか?一部だけを見てそう語っていないですか?


あなたは動物実験の意義を知っているでしょうか?

1964年に採択されたヘルシンキ宣言では

「動物実験がヒトを対象とする医学研究は科学的な原則に従い、科学的に十分な知識と情報、適正な動物実験に基づき実施すべき」であることが明記されています。

そうです。現在の科学的な知識や技術では実験動物を利用しない限り、

医学研究は進んでいかないのです。

薬の安全性が保証されないのです (安全性試験といいます)。


医学が進歩して、自分や家族の病気が治るのは嬉しいですよね?

病気が治るだろう薬を飲んだことが原因で死にたくないですよね?

効果が保証されている薬を飲みたいですよね?


このようなことを言うと、

"多くの化粧品会社は動物実験をやめたではないか"と怒る人がいます。

よく考えてください。なぜ、辞めたのか?辞めることができたのか?

人工皮膚等の技術が格段に上がったからです。

動物の皮膚や目に塗って、化粧品中の薬物の安全性を確かめなくても

必要十分なデータを取ることが可能になったからです。

これは大変嬉しいことです。

それまでの動物の命を無駄にすることなく、医療技術が進歩した例です。

もちろん、動物愛護を叫ぶ人が多くいるこの世の中で

動物実験を辞めることができるならば移行するのは当たり前です。

そのほうがその会社の化粧品を買う人が増えるのだから。


では、なぜ未だに他では完全に動物実験を辞めることができないのか?

もうお分かりですよね?

動物実験を辞められるだけの技術がないからです。

動物を利用した安全性試験に代わる方法 (代替法) がないのです。


ここまで、書いたらタイトルについての私の見解はわかるでしょう。

"動物実験は必要です。それに代わるものが無いのだから。"

ただ、"現在のところは"という言葉を付け加えて。


今回は以上です。

次回は製薬会社での動物実験についてもう少し詳しく書きます。


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