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ドイツで生まれイタリア代表デビューまで至ったグリフォ。キャリアのピークを作ったフライブルクへ。

 今回は1人をフォーカスした移籍記事。というかその選手のこれまでの記事にします。ホッフェンハイムからフライブルクへローン移籍となったイタリア代表ヴィンチェンツォ・グリフォについて。

「回りに回ってフライブルク復帰。欲しいのは得点に絡む活躍」

ヴィンチェンツォ・グリフォ ホッフェンハイム→フライブルク ローン移籍


 ボルシアMG、ホッフェンハイムでは思った活躍ができなかったヴィンチェンツォ・グリフォ。ドイツで生まれブンデスリーガで育ったイタリア代表プレーヤーがキャリアの1つのピークを作ったチームであるフライブルグで再び輝き始める。

 シチリア生まれの父、レッチェ生まれの母の下でドイツのプフォルツハイムという街で生まれたグリフォは地元のチームで育ち、17歳の時にカールスルーエに入団。加入初年度からU19カテゴリーのリーグ戦19試合で6ゴール7アシストの活躍。チームメイトのハカン・チャルハノール(現ACミラン)、アントニオ・チョラク(現リエカ)と共にチームの攻撃を牽引した。チャルハノールとはトップ下タイプのMF、そしてお互いFKのスペシャリストであることから比較対象にされやすかったようだ。カールスルーエでの活躍が認められたグリフォは翌年にホッフェンハイムに移籍した。

グリフォは移籍したが、チャルハノールはカールスルーエのトップチームに昇格。3部リーグではあるが36試合で17ゴール12アシストの活躍でレバークーゼンに引き抜かれた。

 序盤はリザーブチームでのプレーが続いたが、結果を残しトップチームからも一目置かれる存在に。そのシーズンブンデスリーガではグロイター・フェルト戦でデビュー。その時は宇佐美貴史(現デュッセルドルフ)に代わっての交代出場だった。しかし攻撃的MFとしてスタメンを確保するというミッションは難易度が高く、ベンチからのスタートが多かった。何といってもこの時のホッフェンハイムは現在リバプールで活躍するロベルト・フィルミーノを始め、ケヴィン・フォラント(現レバークーゼン)が攻撃的なMFのポジションを任されていた。ちなみにリザーブチームではミヒャエル・グレゴリッチュ(現アウグスブルク)やクーン・カステールス(現ヴォルフスブルク)、ジェレミー・トルヤン(現ドルトムント)とプレー。

 ホッフェンハイムでブレイクしたフィルミーノは攻撃的なMFとして活躍。当時はインテル行くんじゃないか?と思われていましたが、リバプールへ移籍した。

 翌年も序盤リザーブチームで好成績を残すが、トップチームから声は掛からず、ディナモ・ドレステンへローン移籍。しかしここでも結果を残すことができなかった。続く14/15シーズンはFSVフランクフルト(長谷部がいるフランクフルトではない)にローン移籍をすると、33試合に出場し7ゴール9アシストを記録。グロイター・フェルト戦ではキャリア初のハットトリックも記録した。その活躍によりフライブルクがホッフェンハイムから90万ユーロで獲得。ホッフェンハイムからは離れてしまったが、ローン生活は終了し、フライブルグの一員としてのキャリアが始まった。

 そしてこのチームでの活躍が彼の知名度をグンと上げることに繋がる。フライブルグでは主にウィングで起用され、ニルス・ペーターゼン(現フライブルク)やマキシミリアン・フィリップ(現ドルトムント)と共に2部では敵なしの攻撃力を作り上げ、リーグ優勝。グリフォ自身も14ゴール15アシストと大爆発をし、アシスト王にも輝いた。チームの総得点が75であったので3点に1点はグリフォ絡みという計算になる。

ブンデスリーガ2のアシスト数1位、得点数は5位だったが、両方で二桁を越える成績を残した選手はグリフォのみだった。ちなみにこの年の得点王は当時ボーフムに所属していたシモン・テロッデ(現ケルン)。

 そして満を持して挑戦したブンデスリーガの舞台でも、6ゴール11アシストとアシストは大台の二桁に乗せ、自身のチャンスメイクが1部でも通用すると証明。グリフォの活躍もありチームも昇格初年度ながらEL圏内の7位でフィニッシュした。

フィリップとグリフォはブンデスリーガで旋風を起こした。フィリップは現在ドルトムントでプレーしている。

 そしてボルシアMGにステップアップ。しかし序盤戦を怪我で出遅れ、17試合の出場に留まりアシスト数も5と前シーズンを大きく下回った。そして今シーズンはかつて在籍していたホッフェンハイムからオファーを受け、移籍を決断。チャンピオンズリーグを戦うチームまでに成長した古巣でグリフォは再挑戦をすることになった。

https://www.youtube.com/watch?v=2JX1TWvaVrg

↑ ボルシアMG時代のホッフェンハイム戦でのワールドクラスのアシスト。フットサル選手のようなタッチで相手を翻弄した。このプレーを見てホッフェンハイムの首脳陣はグリフォに興味を示したのかな?

 ホッフェンハイムでは開幕戦のバイエルン戦では先発出場をし、期待を膨らませたが僅か前半のみで交代。そこからはベンチに回る機会が増えてしまった。なかなか3-5-2のシステムに慣れず、戦術理解にも苦しみ、この冬の移籍期間でこれまた古巣であるフライブルクへのローン移籍を決意。このような同じ移籍を2度繰り返す選手は珍しいが、自身の能力を引き出すためにこの判断を良いものとしたい。キャリアの絶頂期を生み出したクラブでもう一度結果を出す。

トピックス 

・イタリア人の彼はインテリスタとして知られる。

・2部時代にはFKの精度の高さからクリスティアーノ・ロナウドと比較されていたようだが、少し違うような気がする(笑)

https://www.youtube.com/watch?v=O5Z7yRbWby8

↑ グリフォのFKでのゴール集。ブレ球やパワー系のFKでなく、曲げながら落とすボールが多い。

彼の愛着ある背番号32はホッフェンハイムでトップデビューした時の背番号であり、大半のチームで32番を付けている。

グリフォファンの皆さん。各チームに所属していた時のユニフォームを着て、応援に行っているらしい。これはなかなかJリーグでは見られないこと。


ボルシアMGやホッフェンハイムから更なるステップアップとまではいかなかったが、ブンデスリーガでは結果を残している実力者。2018年はイタリア代表としてデビューも飾るなど、本人にとっては嬉しい年でもあった。2019年は馴染みのある古巣で、再ブレイクとなるか。

最後までありがとうございました。

また面白い移籍があれば、ピックアップして記事にします!

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