人生初の一人旅日記～鳴子温泉～#1

　一人旅、しよう。そう思い立ったのが11月下旬。そう思ったのは寒さとストレスをこの身から引きはがしたかったから。旅先は電車を乗り継いで行ける宮城県の鳴子温泉。12月9日、10日の一泊二日。初めての一人旅ということもあり、ワクワクと不安を胸に当日を迎えた。

　12月9日

　電車を乗り継ぎ何とか鳴子温泉駅に到着。改札を出て駅構内を見渡すと、いたるところでこけしの展示物が出迎えてくれた。優しい面持ちのこけしの大群と駅に着いただけで対面できるのだ。こけしファンにはたまらない場所である。こけしファンになってからこの地に足を踏み入れるべきだった。
　こけしとの対面もそこそこに、駅から出るとそこはノスタルジーあふれる昔ながらの温泉街だった。変にきれいだったり、フォトスポットがあったり、アニメキャラとコラボしてたりもしない、住んでる人の生活がむき出しの観光地。平日ということもあり、かなり人気は少なく（観光客は私のほかに2，3組しかいなかったのではないか？）、若干寂しさも感じるがあまりお目にかかれない研ぎ澄まされた観光地の様相に期待を膨らませた。時刻はお昼過ぎ、いろいろと行きたい場所もあるがまずは腹ごしらえをと、店を探すことにした。