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アダルトチルドレン④

母は両耳が聞こえ難かった。親父の度重なる暴力で鼓膜が破れてしまっているのだ。

一回だけならまだ、鼓膜は再生出来るのだが、何度も何度も破れると、聴力はかなりの確率で失われてゆく。

母は何度目かの鼓膜破裂の時に、シラフの父親にこう言った。

『こっちの耳、鼓膜やぶれてた。』

事も有ろうに、父親はこう応えた。

『もう片方も聞こえなくしてやるか❓』

やはりコイツ、意図して暴れている。酒乱なら覚えていないハズ。父親は弱い者に暴力を加えるのが堪らなく好きな変質者なのだ。

そして、母は鼻血を出し、顔もパンパンに腫れて、髪の毛を掴んで振り回された為に、ゴッソリ抜け落ち、更に逃げ出さないように服を全部脱がせ、我々子供の前でほぼリンチに近い、いや最早、殺人未遂が適当な表現であろう。

そして、夜の夜中に母の兄弟姉妹に難癖を付ける為に、順番に電話をかけて、怒鳴り捲くるのだ。

もう意味不明である。と言うか、普通の世界ではなく、現実に我々が置かれて環境は、何処か地獄のような世界なのか、と思わずにはいられなかった。

それが日々、そして年々、酷さを増していくのだ。

私や姉も、幼い頃から暴力を受けていて、何だか普通の子供じゃなくなっていたのだと思う。

我々にとっては恐怖の日々だが、父親にとっては余興である。と言うより趣味と言った方が適切な表現だろうと思う。

夜の夜中に大声で朝まで怒鳴り散らすものだから、我々が昼間歩いていると、近所の人達はヒソヒソ話を始める。

可哀想な家族だね、て感じだろうか。

芸能人でも犯罪者でもないのに、有名人になっている我々は、何か悪いことでもしたのか❓

もう、思考は停止している。頭の中には絶望の文字が、積み木のように重ねた立体文字のような映像として浮かんでいる。

この変質的な父親の趣味に、我々弱い者は欠かせない道具なのである。

何時だったか、父親の昔からの知り合いが来て、二人共飲み過ぎて寝てしまった。人が来ると外ヅラの良い父親は、温かいアットホームを演じる。我々もそれに倣って演じなければ、また趣味のお相手をしなければならなくなる。てか、してもしなくても同じか(笑)

そして父親が目を醒まし、何をするかと黙って見ていると、父親には我々が見えてないのか、それは分からないが、いきなり客人のズボンのファスナーを開け、手をいれて弄り始めた。

実の妹を犯し、男の股間を弄り、弱い者を甚振るのは、もはや変質者以外の何者でもない。

もう、こんな奴と同じ屋根の下で軟禁状態にされる人生は、残酷過ぎて、悲惨過ぎて、笑うしかない。

何時しか、家に住み着いた猫がいた。その猫が子を産んだ時に、父親は仔猫を一斗缶を半分に切ったモノに入れて、灯油をかけて生きたまま焼こうとしたのだ。

これはもう、サイコパスの世界だが、サイコパスはサイコパスなりの理由があるのか無いのかは知らぬが、父親は正に楽しくて仕方がない顔をして、きっと前々からこれを実行することを考えていたのであろう。

母がまたサンドバックになる覚悟で、仔猫の入った一斗缶を奪い、遠くに捨ててきた。

母猫とも引き離され、乳も吸えないから、何とか母猫が場所を見つけてくれたらよいのだが、可哀想ではあったが、留守から帰った母猫が、真っ黒焦げの仔猫達を見るのは、もっと可哀想である。

この非日常を、誰も想像にすら難いであろう。

まだまだ書ききれない事がたくさんあるのだが、気分が悪くなってきたので、今日はここまで。

記憶を辿って書いているので、時間軸が前後していたりするが、そこは多めに見てもらえたら助かる(笑)

つづく

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