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愛しさと切なさと二子山部屋と。


相撲部屋チャンネルはエンタメ要素満載のコンテンツ

去年末くらいから、相撲部屋のYouTubeにどハマりしている。
僕自身相撲もこんなにハマるとは思ってもみなかったけれど、最近出来た新たな興味として楽しませてもらっている。
特にお気に入りは元・雅山(みやびやま)関で現・二子山親方の「二子山部屋」が運営する「二子山部屋 Sumo food」というチャンネルだ。

そして、YouTubeからの流れで相撲に興味を持った人が最近多いらしく、各相撲部屋のチャンネルはどれも好評らしい。
なぜこんなにもハマったのか自分なりに考えてみたので、興味のある方は参考にしてみてください。

料理+大食い+アスリート=最高

まず、自分の趣味とマッチしたというのがある。
以前からYouTubeの料理系チャンネルと、大食い系チャンネルが好きで良く見ていた。
しかしどちらもここまでハマることはなく、料理系は自炊の参考にして、大食い系は単純にすげーなぁというエンタメとして見ていた。
そんな時オススメに出てきた、どちらの要素も併せ持つ相撲部屋のチャンネルは僕にぴったりだった。
しかもただ食べるだけでなく、力士はアスリートとして肉体を作り、敢えて太るために食べている。
「美味しい」「楽しい」ばかりじゃなく、太るために無理してでもお腹に入れている姿を見ると、アスリートだなと思う。
彼らは筋肉と脂肪の両方を付けないと、勝負で当たり負けしたり怪我をしてしまうので、太る事もひとつの仕事なんだなぁと感じる。
それら全てが理に適っていて、見ていて納得感を得られるのが好きだ。
また大量の食材を手際よく調理していき、どれも美味しそうな料理を作る姿は毎度感心させられる。
大量に作る豪快な料理って、何故だか見続けてしまう魅力があるんですよね。
揚げ物を作るにも、上半身裸で料理する強さはさすがお相撲さんって感じだ。
またタニマチさんから頂いた食材は、一切無駄にせず食べるその姿勢も僕好みだ。
(大量のカップ麺を砕いて作る、そば飯が美味しそうだった)

伝統文化の継承にリスペクト

僕は元々、育った場所が国技館のある両国の近くだった。
そのため、学生時代は街や電車内でお相撲さんを何度も見かけたりした。
その時は特に相撲文化の良さが分からず、若貴ブームで多少相撲を見るようになったが、どハマりするほどでは無かった。
祖父母の家に行くと必ず相撲中継を見ていたし、実家もよく相撲がテレビで流れていた。
僕はそれが退屈で、あまり好きじゃ無かった。
でもおじさんになってくると、段々と分かってくる伝統文化の素晴らしさ。
そんな伝統文化を継承してくれている、彼らにリスペクトしてしまう。

力士たちの青春群像劇

若い力士が夢に向かって進む姿に毎度感動させられている。
YouTube内では、朝稽古の激しさと日常の暮らしのギャップを知ることができる。
「二子山 Sumo food」は主にちゃんこ料理を豪快に作り、食す動画が多いが、激しいぶつかり合いの稽古も見られる。
動画を見ていると段々と若手力士の顔名前だけでなく、そのキャラクターや強さ、関係性なども分かってくる。
そうなるとどんどん楽しくなってくる。
朝稽古はめちゃめちゃハードなのに、普段は穏やかで仲良くゲームしたり、晩ご飯の後に夜食を買いに出かけたりしている。
そんな体育会系の学生寮のような場面を見るたびに、彼らを通して青春を感じずにはいられない。
二子山部屋もチャンネル開始当初(2023年6月)から既に2人ほど引退したようで、角界で生き残る事、上位を目指す厳しさを感じる。

相撲部屋の大家族TV感

二子山部屋のファミリー感は大家族TVを見ているようで、わちゃわちゃ感が楽しくも癒される。
二子山師匠は顔がちょっと怖いが、グルメでお茶目な一面もあるから目が離せない。
急にプロレスラー武藤敬司の真似をしてみたり、外食では弟子達よりもいち早く完食したりと、意外とお茶目な場面が見え隠れする。
そして女将さんが可愛い、可愛すぎる。
ぽっちゃり好きの僕でもその価値観を一旦置いておくほど、スレンダーでチャーミングで弟子思いだ。
台所に立つ女将さんは少ないらしいが、二子山部屋では女将さんも台所に立つ事で、弟子達とコミュニケーションを取っている。
そういった細やかな気遣いが素晴らしいし、力士達の親御さんもこのチャンネルを見て安心するだろうなと思う。
また力士同士も稽古以外はあまり先輩後輩がなく、フラットな関係なのも安心して見ていられる。
それぞれのキャラクターが立っているので、見れば見るほどに彼らの魅力が分かってくる。
そして段々詳しくなると再び過去回を見返したりして、二子山部屋の沼にハマっていくのだ。

二子山部屋の力士たち

二子山部屋に在籍する現メンバー達を紹介してみる。
なお、年齢や番付は2024年3月現在の情報だ。
以下で示す通称というのは、チャンネル内で見ていて分かった、彼らの間でのあだ名、呼び名だ。
普段お互いを四股名で呼ばないので、最初誰の事を言ってるのか分かりにくかったが、今では通称で誰なのか分かるまでになった。
なお、番付は下から上がるにつれ、
序ノ口<序二段<三段目<幕下<十両<幕内(前頭<小結<関脇<大関<横綱)
となる。
序ノ口〜幕下までは力士養成員といって、まだ下部の扱いである。
給料も発生せず、大部屋で過ごし、自由度も低い。
皆ここを抜け出し、関取になろうと切磋琢磨しているのだ。
そして十両と幕内が関取といって、本当の意味でここからが勝負の始まりだ。
待遇も劇的に変わり、一人部屋が与えられ、いきなり高額の給料が入る。
四股名を呼ぶ際も⚪︎⚪︎関と関を付けて呼ばれるようになる。
しかし百戦錬磨の猛者たちの中で、勝ち越しを続けなければ、関取になっても番付は幕下以下に落ちてしまうという超実力社会。
身長体重制限や階級が無い相撲の世界で、日本人力士が勝ち進む大変さを強く感じてしまう。

番付:幕内前頭

・狼雅(ろうが)通称:アマルさん(本名アマルトゥブシン・アマルサナーから)

狼雅

ロシア出身の25歳。
現在、部屋で唯一の関取である。ロシアとモンゴルのハーフらしいが、顔も和風で日本語が上手なので最初は分からなかった。穏やかな表情ながら、迫力のある風格と相撲の強さは他の弟子達と一線を画している。弟弟子達を簡単に投げ倒しているが、それでも現在前頭だという現実を知ると、層の厚さや横綱の凄さを改めて感じる。関取なので一人部屋が与えられているためなのか、あまりチャンネルに登場しないのが残念。スニーカー好き、餅つきが上手い、女性に優しいジェントルマンな面も見られる。

番付:幕下

・生田目(なばため)通称:たつや

生田目

栃木県出身の22歳。
母親がタイの方でハーフらしい。あと一歩で関取になるかもって感じの、二子山部屋で今一番注目の幕下力士。朝稽古でも一つ実力が違う強さがあると感じる(ぐるぐる巻きした膝のテーピングが痛そうだ)。対して稽古以外は部屋のムードメーカーって感じで、事あるごとに発言が面白い。俳優の東出昌大さんがゲスト出演した回では、その魅力を存分に発揮していた。麺の啜り方が独特で、啜らずに唇を前後しながら麺を押し込んでいく作法をとる。
・出沼(でぬま)通称:でぬ

出沼

神奈川県出身の23歳。
シャイで寡黙だが料理に対する熱い思いが毎回感じられる。揚げ物を作る際の手際がとても良いが、特に唐揚げが得意で通称「唐揚げの沼」はマジで食いたいと思わせる魅力に溢れている。160キロを超える体躯で、相手を薙ぎ倒すのは迫力大。一見怖そうな顔だが、笑うと可愛い兄ちゃんって感じだ。
・許田(きょだ)通称:なおき又は先生

許田

神奈川県出身の21歳。
いつも食べては「・・・美味しいです」と発言する場面を映されている。真面目で寡黙だが、どこか愛され皆にイジられる雰囲気を持つ。チャンネル内での愛称は「許田先生」。小学生のファンからの熱い想いを聞いて、照れる姿がウブで可愛い。
・舞蹴(まいける)通称:マイケルさん

舞蹴

福井県出身の25歳。
母親がフィリピンの方でハーフ。これでマイケルと読み、実際に本名(林舞蹴:はやしまいける)である。真面目で優しい部屋の兄貴分という感じで頼もしさを感じる。料理を作っても何か発言しても、彼の所作には常に丁寧さが見て取れるので若いのに感心してしまう。

番付:三段目

・延原(のべはら)通称:とうま

延原

大阪府出身の21歳。
狼雅関に付き添っている(付人)ためか、最近登場回数が少ないのが寂しい。やんちゃな見た目の雰囲気に反して、柔らかな大阪弁の声と喋り口がいい。毎度ご飯の際には作った人に「美味しい」「ありがとう」など感謝を伝えるいい奴だ。
・若雅(わかみやび)通称:えんどう

若雅

神奈川県出身の20歳。
人懐っこく、非常に後輩感ある元気な若者という印象。最初から最後まで、大きな口で大きな飯を気持ちよくモグモグ食べる。マクドナルド大好き、身体もデカくイケメンゴリラ的な風貌が人気出そう。親と仲良しエピソードが動画内で何度も伺える好青年。
・小滝山(こたきやま)、通称:けんと、けんさん

小滝山

栃木県出身の21歳。
愛嬌のある笑顔とご飯をもりもり食べる姿がなんだか可愛らしい。しかし稽古の時に見せる下半身の筋肉は尋常じゃないモリモリ感。料理が上手いらしく、部屋の力士にはとても評判である。同部屋に居る弟(相馬)とつけ麺屋を訪れる神回は何度見てもほっこりする。
・相馬(そうま)通称:しんや

相馬

栃木県出身の19歳。
小滝山の弟である(しかも更に下の弟さんも相撲をやっている!)。まだ髷が結えないというのに、既に番付も上がってきていて、さすが小滝山の弟といったところ。兄同様に笑顔と食べる姿がすげー可愛いく、恐らく彼らの笑顔にメロメロな相馬兄弟のファンは多いだろう。水族館とアイドルが好きらしい。撮影スタッフにもフランクに世間話を振るなど、コミュ力も高いのが動画で分かる。
・桑江(くわえ)通称:ジャスティン、ジャス

桑江

神奈川県出身の19歳。
母親がフィリピンの方で恐らくハーフと思われる。出沼、若雅とは高校の相撲部の先輩・後輩の間柄である。お茶目で意外とイケメンで、もうすぐ髷が結えるくらいのパーマ風ロン毛がカッコいい。いつも着ているパーカー姿、伸ばしかけのロン毛、若い話し方が、地方から都会に出てきたばかりの一人暮らし大学生っぽくて好き。

番付:序二段

・月岡(つきおか)通称:ひなた

月岡

埼玉県出身の19歳。
中学卒業して入門した、クールな雰囲気がある小柄な力士(168.5cm)。ボーリング大会の回では次々とピンを薙ぎ倒す、運動神経の良さが見てとれた。動画内では自分から話すことは少ないが、部屋の仲間と話すときは意外と普通の若者感が出ているのが微笑ましい。オフの日の映像で見られる、長いもみ上げと武者みたいなポニーテール姿がカッコいい。そして生田目さんのスマホにある、入門当時のまだまだだ子供な月岡の写真が可愛すぎる。
・颯雅(そうが)通称:いまい

颯雅

埼玉県出身の21歳。
調理中ですら、どこでもすぐ寝るシーパップ愛用者で、最近では彼が画面に映ってなくても鼻息で存在が分かるようになってきた。ゆるキャラ感のある、見た目と話し方と食べ方に癒される(ちょっとだけ、くまだまさし似)。恵方巻きの回では一人だけちゃっかり2本目を食っていて笑った(願い事も2回していた)。
・恵雅(けいが)通称:おのでら又はゆうと

恵雅

栃木県出身の16歳。
体躯がデカく、手足が長いので今後に期待大の若者。最近髷が結えるようになってきたが、まだ16歳という若さに驚く。シャイなのか自分からのコメントは少ないが、日高屋の飯に対する喜びは大きい。日高屋をモリモリ食べてスタバを飲んでと、今時の若者って感じで見ていてほっこりする。
・厚雅(こうが)通称:ともよし

厚雅

三重県出身の18歳。
身長は高いが稽古姿を見ると身体はまだ小さく見える(と言っても100キロ超えているが)。とても眉毛が太く、髪の毛量も半端ないので顔を覚えやすい。髷を結う際、毛量を減らして髷を結い易くするために頭頂部の毛をごっそり剃られていた(中剃りという)。一人飯の際はすき家のネギ玉牛丼&チーズ牛丼と永谷園のお吸い物が好物のようだ。(あれから僕もお吸い物を買うようになった。)体の大きい同部屋力士の中、稽古で食らいついて頑張る姿を見るとついつい応援してしまう。

笑いと感動ある相撲部屋に未来あれ

もしこれで二子山部屋ならびに相撲が好きになってくれる人が増えたら嬉しいと思う。
今年も新たに新人が部屋に入るようだし、これからもチャンネルが盛り上がることだろう。
当たり前の話だが、彼らは日々努力を重ねているけれど、アスリートは思いがけぬ怪我や選手寿命がある。
厳しいことを言えば恐らく、全員が全員関取になれる訳ではないだろう。
でもしかし、全ての力士たちは上を目指して全力で突き進んでいる。
そういった何物にも変え難い人生の輝きに、僕は感動を覚えてしまうし、応援してしまう。
そして彼ら全員が納得した相撲人生を送って欲しいと、願ってやまない。

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