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海外(カンボジア)ビジネスで大切な事は全てサーシャに教わった⑯チャンス君は前髪長く後ろハゲ

僕は調子に乗ったおかげで失敗したことをサーシャに言いたくなかった。

言えば当然なにかしら説教されることが目に見えているからだ。

しかし、頼らずにはいられなかった。やけくそな気分でサーシャにテレグラムした。

お客さんに逃げられて借金を抱えてしまった
Beijing Bar で話をきくわ。明日の18時はどう?

僕は気持ちがふわふわしたままBeijing Bar に向かった。

こういうとき、いくらなの?どんな状況で?なんで気づかなかったの?など質問攻めにされることが一番心が折れる。

しかし、サーシャはなにも僕を責めることなく、説教することなく、ただうなずいて聴いてくれた。それが、とてもありがたかった。

そして、とんでもないことを言ってきた。

「私を役員として雇うといいわ。年俸初年度は50000ドル」

「そ、そんな。とにかく借金を返さないといけないのに。

無理だよ。(そもそも俺だってそんなに給料とってないから)」

「だまって。まだ、私は最後まで話してないの。

私があなたの会社に出資するわ。

100,000ドル。

それで払うもの払って、あとは運転資金にして。

今、あなたはいろいろな思いが頭をよぎっている。急にサーシャが金出すってなんかおかしくないか?そのそもこいつ誰だ?最初の年はいいとしても、来年から給料払えるのか?とか。

えっとね、チャンス君というものは前髪が垂れ下がり、むちゃくちゃ怖いものなの。

でもその前髪を掴まずによけてしまったあと、あれはチャンス君だったと築いて振りむいたら、後ろはつるっぱげで掴めないの。

これはあなたが掴む掴まないを決めるチャンスよ。

経営者は決めることが仕事。返事を明日の朝までにちょうだい」

「わかった・・・ちょっと整理させてほしい」

サーシャはすぐに出ていってしまった。

僕は、ウォッカソニックを一杯だけ飲んだ。

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