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海外(カンボジア)ビジネスで大切な事は全てサーシャに教わった⑯涙が止まらない


僕は浪費、消費、投資の頭で考える習慣はついてきたものの、相変わらず調子にのっていた。

そして、サーシャの予言どおり、彼女とは別れた。というかフラれた。
僕がサーシャの受け売りで、いちいちそれは浪費だとかいっていたからなのか、すぐ止まるポンコツ中古車に嫌気がさしたのかわからないが、他に好きな人ができたといい、連絡がなくなった。
少しだけ寂しかった。
でも自分でも意外なほど、すぐに平常心に戻れた。

毎日、むちゃくちゃ忙しくしていたからだろう。

そんななか、事件がおきた。
ある時、うちの会社にとって非常に大きい案件がきた。ある大型の新規インターナショナルスクールのデザイン、制作物、ウェブサイトの一括受注である。競合コンペであった。

僕たちはシムサン電子コンペで学んだ要領でプレゼンし、受注した。もっともこれは価格競争であったが。

受注規模は、過去最高。しかし粗利率は10%程度。税金を引いたらほとんど残らない。そして入金は開校時。

それでも僕たちは有頂天だった。実績になるので儲からなくても良いとおもった。
ろくに目も通さないまま、先方作成の契約書にサインした。

オリジナルノート、テキスト、サインボード、バナー、学校案内など、あらゆるものを3ヶ月でつくる。

かなり突貫工事である。そして、印刷屋やサプライヤーにはデポジットを半額入れないといけないので、キャッシュすぐにカツカツになった。

それでも支払いを伸ばすなどやりくりして、3ヶ月でなんとか全部納品できた。思ったよりも工程が多くかかり、外注費もかさんだ。
印刷屋やサプライヤーは納品時に残金入金である。
お金をかきあつめて、一時的に借金して支払いをした。


しかし、開校が一ヶ月くらい遅れるとかで、入金も遅れることになった。

さすがにお金がまわらないので、先方に詰めよったが、本国に聞かないとわからないの一点張りで拉致があかなかった。

約束の一ヶ月後、ありえない言葉が先方担当者から伝えられた。

「ライセンスの問題などで開校できなくなりました」

・・・

怒鳴りつけたい衝動を何とか抑え、支払いはきちんとします。という言質だけとった。


さらに2日後、最悪の事態になった。
スクールが閉鎖され、もぬけの殻になっていた。電話も使われていない。担当者のラインも退出されていた。

僕たちが立てた看板がなんともむなしい。

本社へ海外通話で電話した。
何度かたらいまわされたあと衝撃のひとこと
「そこはうちとは関係ありません」

どういうことだ?

つまりは、本国の学校のFCとしてカンボジアに進出しようとした企業が、FCの契約はおろか、カンボジアのライセンスもとれずにフェイドアウトしたようだ。

あらゆるルートを使って連絡をしてみるものの、もはや、なんの手がかりもなくなってしまった。

最悪の事態になった。
開校できる見込みが少なかったら支払いを開校時にしたんだ。

残ったのは数万ドルの借金のみである。
調子に乗った自分を猛烈に責めた。
バカにされた思いと、怒り、リスク管理できていなかった自分のアホさに涙が止まらなかった。

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