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半年が経ちました

ここに引っ越して来たのは昨年の12月。
あれから季節はめぐり、初めての夏を迎えています。

1月半ばに猫の麦を見送り、それからの月日はあっという間に過ぎてしまった。麦が居た日々と居なくなってからの日々、私の中では見えない線が引かれたように感じています。

それでも。
夫と私と猫のきびとの、二人と一匹での暮らしにも少しずつ慣れてきて。南庭を畑にして野菜作り始め、庭木の手入れをしたり、花を植えたり。近くの店で働き始めたり。

日常生活と呼べる日々を送れるようになった今。
ここに引っ越して来てほんとうに良かった、この家が、この場所が、とても好きだとしみじみ感じています。

早朝に起きて、畑の世話と庭いじりをして。
夫が淹れてくれたお茶を飲みながら、庭に来る鳥たちを眺める。山鳩、シジュウカラ、ヤマガラ、雀、メジロ、カワラヒラ…そして電線を走ってゆくリス。

人間よりも圧倒的に、自然や鳥や動物が多いだろう場所。便利ではないけれど、生活してゆくのに困らない程度にはお店も病院もある。

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生まれてからこれまで、私が暮らした場所は、一人暮らしも含めて、この家で12箇所目かな。これが多いかどうかはわからないけど、これまではどこで暮らしていても「いつかは離れる場所」という気持ちがずっとずっとあった。

ここに移り住み、庭に麦のお墓を作った。
私の人生の中で初めて「ここに根を下ろすのだ」と思える場所が出来た。そしてそれは想像以上に心安らぐことでもあった。

ここは別荘地だけど定住している人も多くて、庭仕事をしていると、犬の散歩をさせている人と挨拶を交わしたりして、自然と顔見知りになる。

町内会のようなものもないし、普通の住宅地のご近所関係よりも淡い感じだと思うけれど、ここで暮らしている人達と、ゆっくり穏やかなお付き合いが出来たらいいなと思う。

この家や庭とも少しずつ時間をかけて馴染んでいけたらいい。麦の眠る場所、私達の辿り着いた場所。もう、ここから離れることはないのだから。


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