回らない歯車
エンジニアの求人に応募したのだが、到底自分には出来そうにない技術課題を出された。
経験のないことを、短い期限内に達成して提出しろ、と。
百歩譲って、完璧なものは望んでいないがどこまでやれるのかを見たいだけだったとしても、そもそも自分がローカルで作成したものをどうやってリモートの相手に見せるのかすらも分からない。
(このツールを使えという指示はあるが、それをどうしても上手く使いこなすことができない)
結局のところ、私は理想だけが膨らんでいって知識の吸収や努力は全て後回しになっていたのだと、分かってはいたけど見ようとしていなかったその現実を、今目の前に突きつけられている。
椅子に縛られて手足を拘束され、今まで顔を背けていた「現実の等身大のちっぽけな自分」を、これでもかと目の前に突きつけられているような、そんな気持ち。
昨日は休みだったので、朝から夜まで丸1日使って頑張ってはみた。分からないところを調べたり色々試したりして、ちょっとしたことでも動いた時は嬉しかった。できる・できないはともかく、ずっと座り続けて色々試したりすること自体はそこまで苦痛とは思わなかった。
だから、「苦痛じゃないなら、やっぱり転職活動はこのまま開発の仕事をメインに探してもいいかもしれない」そんなことが頭をよぎって、少しだけ希望を持てた。
「せめて出来るところまではやろう」
そう思って昨日はとりあえず寝た。
今日起きて、昨日の続きをやっているがやっぱり分からない。途中までやったけど、もしかしたら根本的に何かしらの設定が間違っていたのかもと思いまた1からやり直してみた。そうすると今度は別のエラーが出てきて結局それも解決できない。
完全に手詰まりになってしまった。
「やっぱり無理だ、辛い」
昨日少しだけ希望を持ってしまったがために余計に辛くなった。
こんな晴れた日曜日の朝だというのに、涙が出てくる。
私はただ、穏やかに幸せに暮らしたいだけ。
でもそんな気持ちを持つ一方で「成長したい」とか「何かを達成したい」という気持ちも捨てきれていない。
前者の気持ちを優先しようとすると、「諦めずに頑張っていればどうなっていたのだろう」とか「本当にこれで良かったんだろうか」といった漠然とした消失感に襲われるような気がしてならない。
かと言って後者の気持ちを優先しようとすると、「できない自分」と戦わないといけなくて、自信が無くなり自己肯定感がどんどん下がっていく。
甘えた思想だということは重々承知している。
実際にもっと積極的に行動している人はいくらでもいるし、そんな人たちから見たら私は「何でもいいからとりあえずやれ」とイライラされるだろう。
挑戦しても辛いし、挑戦しなくても辛い。
いずれに転んでも結局辛い。
私だって、好きで落ち込んでいるわけではない。
不安もなく楽しく生きられたら、どんなにいいだろうかといつも思う。自分のことだってもっと信じたいし、可能性を諦めずに頑張りたい。
noteにだってもっと前向きなことを書いて、少しでも誰かの励みになってくれたらいいのに、と思うのにここ最近はずっとネガティブなことばかり書いている。
「いつかは全てが勝手に解決して、丸く収まる」と思ってしまっている自分がどこかにいる。何かドラマチックな展開が巻き起こって、歯車が回り始めるのだと。
歯車は自分で勝手に回りださない。
まずは自分でほんの少しでも回さないと、そのあと勢いがつかない。
私は重たい歯車を回そうと試みて、「うわ、重い!無理だ!」と思ってすぐに辞めてしまっている。そして歯車の目の前で「勝手に回りださないかなあ」と思いながら、ただ見てるだけ。
ハムスターを見習わないと、と思う。
彼らはケージの中の車輪の上で、無我夢中に走り続けている。最初はゆっくりだけど、勢いがついてくるととんでもない速さになっている。あまりの速さに自分自身が車輪から放り出されても、すぐに戻ってまた走り始める。
Youtubeでハムスターが走っている動画を見てみたが、すごく面白くて可愛くて、元気が出た。私にもあれくらいのパワーがあればいいなあ、と思う。
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