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頭がオボン

仕事始めの休暇明け。帰りの電車の、優先席ではない端っこの部分。吹き込む豪雨に肩を窄め、床を流れる水滴で鞄が濡れないよう、膝上に抱え込んでいる。きょう発見したことは、歩くスピードが遅くなってたこと。朝、いつもの時間に家を出たのに、電車ギリギリだった。お盆前は余裕だったのに。無意識にゆったり歩いてたのだ。ぎゃくに、前は無意識にセカセカ歩いてたのだな?会社に着くと、お盆期間も働いてたチームがいた。彼女ら(全員女性)の面構えは、当然、お盆前と変わらず、笑顔がなく、怖かった。僕は余程腑抜けた顔に見えたらしい。「まだ頭回ってないなか、すいませんが」みたいな会話の前置きをカマされた。僕は少し、咳が出るので、レスプレンの錠剤を一粒飲んだ。「あ、体調わるいんですか?」「いや、これは、えーと、ただのラムネだよ…」「は?マジ頭回ってないじゃないですか」初日から雑に扱われた。そうだった。僕の職場はこんな感じだった。僕が出世しても、ぜんぜんリスペクトがない。「稟議が、ギリギリなんです」と言われ、「ギリギリンギだね?」と返したら笑われた。頭がオボンになっている。去る8月9日、全部ヤケクソに、ぶんなげた仕事を、思い出しながらひとつひとつ回収していく内に、サラリーマンの自分が戻ってくる。今週の真っ白な手帳を少しずつ埋めていく。本当は、休暇前にやっておきたかったのだが、オボンな僕の、ロードマップを作っていく。昼は変なカレーを食う。15分マッサージチェアで寝る。午後、上司から出された宿題をする。明日提出。僕の、会社についての文章を書く仕事。そのテーマと意義、目的を企画書にまとめる。承認されたら来週、社長に見せにいく。まだ頭がオボンだったから、ここに書くように、45分くらいで、ダラダラ1500字くらい書いた。言葉使いも、こんな感じで。改行なく、わ〜って書いて、「そんなことができたら、僕は嬉しい」みたいに締めて、チャットGPTに読ませたら、ちゃんと要点をまとめて、企画書っぽくしてくれた。こいつはマジ優秀だよ。僕なんか居なくても良い。体裁を整えようと思ったら、別の部署から呼び出しを喰らった。僕の提供した数字を社外に出すにあたり、算出の根拠を教えよ。とのこと。「私は他部署から貰った数字を割り算しただけです。貰った数字の根拠はわかんないです」と誠実に答えたら、会議室に呼び出された。なんでみんな、お盆明けからこんなに元気なんだ?妻に帰りが遅くなる報告をした。休暇明け初日から。僕含め、巻き込まれた関連各部であつまって、あーでもないこーでもないして、通りすがった社長にみんなでゾロゾロ報告したら19時。明日の宿題の体裁が整わなかった。明日早起きしてやるから、noteの更新は明日も夜になりそうだなぁ。妻に帰ります報告をした。娘はオボンから咳出てるけど、今日は保育園の呼び出しを食らわなかった。よく頑張った。明日は妻が在宅。明後日は僕が在宅だから一安心。帰り道は雷だった。歩道橋の上を通るときこわかった。ぼーっとnote書いてたら、あっという間に横浜に着いた。明日もオボンだったら良いのにと思った。1291文字

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