別名・地獄

先日、激辛好きの姉がとあるものを私に差し入れた。


今話題の、『ペヤング獄激辛やきそば』である。



私は、辛いものはどちらかと言えば苦手。
なのに姉は、辛いものを見つけては私に差し入れる。その度に、私の喉は毎度散り散りになるのだ。
だが、こちらも負けっぱなしとはいえ様々なものを経験してはきている。


よろしい。かかってらっしゃい。


姉「激辛好きの私でも、これは無理。涙が出る。飲むヨーグルトを飲んでも、ゆで卵を食べても全然辛さが治らない。こいつは焼きそばに擬態した地獄」

私「地獄…?」

姉「そう呼んだほうがしっくりくるぐらい、辛いから」

というわけで、『ペヤング獄激辛やきそば(別名・地獄』を食べることになった休日の午後。私と母(母も姉同様、激辛好き)は、コップに並々と飲むヨーグルトを入れ、その時を迎えることになった。


のだが、その結果。
食卓は、まさに地獄と呼ぶにふさわしい変貌を遂げた。


私「辛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

姉「ね?辛いでしょ?」

辛いというより、痛い。
噛めば噛むほど、口の中が地獄。果てしなく地獄。唇も喉も痛くてしょうがなく、飲むヨーグルトは姉の言う通り全く効力がなかった。


一体、何の恨みがあってここまで辛くしたんだろう?



そんな疑問が頭の中を駆け巡る頃、私はひと口だけで打ちのめされてヒリヒリする唇を何とかしようと氷を手にした。


そして、塗った。
唇に。
リップクリームを塗るように、何度も塗った。



母はひと口食べた瞬間に震え、座ったまま謎の前後運動を始め、姉は、まさかの2回目に挑むも失敗。食べずに見守っていただけの父まで、辛さを想像して汗をかくという被害が出た。


恐るべし、地獄。


姉「ちなみに開発した人も、食べられないらしいよ」


嘘でしょ。


よろしければ、お願いします。 お願いします!!(圧