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貴方が転職先で活躍できるか否かは"運ゲー"である

転職についての話はよく聞きますが、転職したことがない方にとって、転職後の話は中々イメージしづらいのではないでしょうか。今回はその点をざっくり書いてみます。

入社ほやほやのメンバーの貢献度が安定しない

管理職になってからよく拾うようになった情報として、「転職後、思ったように働けない。貢献できない」「参加してくれたのはうれしいけど期待未満。貢献度が低い」なんて話を聞きますし実際に体験しています。これはなぜ起きるのか、起こるのか?を考えてみます。

仕事を難しく感じ、思ったように働けないのは何故?

少し考えると変な話です。未経験者を除き最低限能力面のマッチングで合意した上で入社しているはず。ということは貢献可能な能力を有しているにも関わらず、時間が経つにつれて前述したミスマッチ感をお互い感じ始めるわけです。

これは「スキルレベル=貢献度」では無いことを示しており、組織の一員として働くためには、スキルだけでは不足していることを表しています。ここまでは共通の認識だと思います。個人で結果を出すなら無関係ですが、協力が必要な組織である以上、スキル以外の要因も考慮しなければなりません。個人的には結果を出す上ではスキル以外の要因の方がはるかに重要だと考えています。

貢献度=①仕事内容×②環境×③行動特性×④社内文化

①仕事内容
自身のスキルを活かせる項目です。スキルではなく仕事内容なのは、会社によって仕事のやり方が異なるからです。以下例です。

・○○したいから、期日までに、▲▲を考えてほしい。
この場合、「自前のスキルで対応する」では不十分です。この会社では、どこまで考慮すべきか、期日までどのレベルに達しているのが望ましいか、粒度はどれぐらいかなど、その会社の基準を考慮することが重要です。「前の会社ではこうやっていましたよ?」が、すんなり通る組織は多くないでしょう。

また出社からリモート中心の組織に移った途端、上手く結果が出ない状況もあり得ます。文章力が不足している場合は致命的です。リモート環境では相互監視が発生しないため連携の難易度が高いですし、期待しているからこそ、ほどほどに放置されてしまい上手く結果を出せない状況も発生します。

大事なのは自前のスキルをその会社用にチューニングする必要があるということです。どれぐらいの差異があるのか、それをすぐ埋められるのかは実際に仕事をしてみないことには分かりません。

②環境
最も大きく影響するのは上司です。有り体にいうと上司ガチャです。上司によって潰されるメンバーはごまんと居ますし、誰かに潰されたメンバーを管理している上司もいます。

貴方の仕事を評価するのは上司であり、どれだけ貢献していたかが定量的に判断可能でも、それ以外の指標では、やはり上司次第ということになります。そして仕事のしやすさも上司次第です。いくら好きな仕事でも毎日上司から人格否定されては厳しいものです。上司ガチャではアタリを引きたいものです。

ちなみに私の考えるアタリは「人生の邪魔をしない」です。無関心で十分良いです。精神的な病気になる、退職まで追い込まれる、責任を擦り付けられる等…。メンバーにキレて仕事してる感を演出家も居るとも聞きます。上司は上司で複雑なスキルを磨いているのですね。

話が逸れました。環境は上司の質がメインで、後は同僚の質でしょうか。協力できる方がいると良いです。早く結果を出す上で人間関係はかなり重要です。他には勤務地が遠いと十分な睡眠時間が取れません。若いうちは無理できますが、歳を取るにつれて重要な項目です。

周囲が仕事しやすい関係で居てくれた上で、結果が出せないのを他責にするのは論外です。丁寧に教えてくれない、といった声を聞きますが、正しいマネジメント研修が無い企業で、それを期待するのは難しいでしょう。実は私も若い頃そう思っていましたが、そもそも上手く教えるスキルを持っている人が少ない現状があります。

言いたいのは、人間関係の質は大事であり上司は運ゲーだということです。
忘れてはいけないのが貴方も一つの変数です。意固地だったり、仕事が雑だったりすると、良いメンバーに恵まれても協力して貰えませんから。

③行動特性

コンピテンシーです。特にキャッチアップする能力と伸びしろは重要だと考えています。能力が高い方は数か月で係数が最大になります。

キャッチアップはその会社の「仕事のやり方」に慣れる速度に影響します。近年「アンラーン」をよく耳にしますが、この項目に該当します。仕事のやり方を理解したうえで改善してくれるなら、既存メンバーの抵抗感もないでしょう。
キャッチアップが遅い、もしくは「仕事のやり方」に合わせる気が無いと周囲の負担が増えます。初めから抜本的な改善、改革を望まれている場合は、こんな手順を踏まなくても良いですが、そのやり方に至った経緯を知っておくのは悪いことではないはずです。

伸びしろは主にその会社で必要になったスキルの習得速度を指しています。分かりやすい例だと、転職する会社は英語が公用語だが、英語の習得にモチベーションが上がらず、中々英語が上達しない。といったものです。

この項目の良い面は、ある程度個人の力で解決でき、運ゲーではないところです。逆に言えば能動的に動く意思が無いと、慣れるまでにかなりの時間を要します。これは本人が、というより周囲が敏感な部分で、受け身だったり内省しない方は係数低めです。

④社内文化
カルチャーも貴方が上手く働けるか否かを決める要因の一つです。意識高い系を馬鹿にする、残業主義(何においても残業している人が評価される)、パワハラがまかり通っている、有給消化しづらい、向上心の無いメンバーは評価されない、などなど。

会社毎に存在するものだと思います。新卒では見抜けません。
これは個人の力では変えにくいものです。合えばよいですが、合わなければ合わせるか我慢するか。ただモチベに直結するので我慢したところで長く持たないとは思います。

カルチャーを味方につけることが出来れば、社内で動きやすくなり、結果的に十分な成果を残しやすくなります。私の例でいえば、ある会社では個性を出す/主張することが好まれ、ある会社ではイエスマンが好まれる節がある、などです。なので良かれと思って動いたことが結果マイナス評価になることもあります。

つまるところこの項目は運ゲーです。暗黙的なものまでは入社してみないと分からないですから。同じ境遇の方たちとオンボーディングすることで緩和できるかもしれませんね。

その他の要因

その他にも運ゲーはあります。採用担当者が「本当に必要な人材が誰か分からない」ケースがあり、人事が良いと思って採用したがアサインしたプロジェクトとの相性が悪いなど…。

まとめ

運ゲーだから落胆するのではなく、スキル以外の要因があると知ることで、アクションが変わるキッカケになれば幸いです。



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