見出し画像

ウクライナ侵攻の原因について考える

ロシアによるウクライナ軍事侵攻が始まって1週間以上が過ぎた。
砲撃、建物損壊、ウクライナ住民の悲痛な表情がテレビで映し出され、なんとも居た堪れない気持ちになる。
同時に、ゼレンスキー大統領の自撮りビデオでの発信やロシア側との交渉を求める姿勢、住民たちがロシア軍へ対抗しようと火炎瓶を用意している姿など、勇ましさも感じられる。

なぜ戦争になってしまったのか。
一生懸命理解しようと連日報道をチェックしているけど、どの番組からも報じ方としてはロシアによる一方的な侵攻・侵略のようにしか伝わってこない。
自分が思うのは、ロシア側の視点が欠けているんじゃないかということ。あまりにも「ロシア=悪」のように伝えられるのは、どうも違和感がある。

プーチン大統領が常々警戒していたのはNATOの拡大で、これはドイツ再統一される時に「一インチたりとも東方へ拡大しない」とアメリカと合意していたものだった。
しかし冷戦が終結してソ連が崩壊し、ワルシャワ条約機構を解体したにもかかわらず、NATOは旧ソ連の国々をどんどん取り込んで東方へ拡大していき、ついに同じスラブ民族の兄弟分である隣国ウクライナまで迫ってきた。
「さすがにここをやられるとまずい!」ということで、ウクライナ側と争ってきたドネツク、ルガンスクのロシア系住民を助けるというのをきっかけに、今回プーチン大統領の決断でウクライナ侵攻に踏み切った、という流れじゃないかと。

ウクライナのゼレンスキーは、どうもNATO加盟を選挙公約に掲げて大統領に当選した人物らしい。
NATO加盟は主権国家であるウクライナが自由に決めるべきことでありロシアがとやかく言うべきではない、との見方は一見正しいようだけど、ウクライナにこのままNATO加盟を許すと、NATO軍のミサイル配備が可能となり、ロシアから見れば喉元に銃を突きつけられているようなもので、ロシアの安全保障が脅かされることになる。

事実上、NATOを主導するのはかつての冷戦相手だったアメリカ。就任してからのバイデン大統領の振る舞いがどうもおかしいように見えてならない。
バイデンは去年の今頃、プーチンのことを人殺し呼ばわりしていた。アフガニスタンの米軍撤退のやり方にも禍根を残しタリバンに政権を奪取され、今回の軍事侵攻についても「第三次世界大戦に突入か、ロシアに国際法違反の代償を払わせるか、そのどちらかだ」という言い方をしていて、まるで戦争を予告し誘っているかのようにも聞こえる。

それからロシアのトラウマも悲惨なもので、独ソ戦を中心とする第二次世界大戦では史上最大の2700万人もの死者が出ているらしい。日本では原爆で亡くなった人たちも含めて300万人だから、それも相当なものだが、桁が違う。
プーチンのお兄さんも独ソ戦(レニングラード包囲戦)の最中に亡くなっていて、彼の野望「強いロシアを取り戻す」というのは、こういうトラウマも関係しているのかもしれない。恐らく被害者としての意識がものすごく強いのだと思う。

韓国よりも下位にあると言われているロシアのGDP。経済を考えてみても、1億4600万人の人口の割にはそう潤っているわけでもなく、資本主義化してから貧富の差も広がっていたのでは。
あらゆる面から追い詰められていて、支持率が高くキープできているうちにここぞというタイミングで、このような強硬手段に出てしまったのかもしれない。
なんだか“窮鼠猫を噛む”というのを思わせる。

とは言え、今回の軍事侵攻で一番困るのは住民だから、理由はどうあれ巻き込んだ形になったのは決して認められるものではないけど、和平を考えるにあたって一方だけの見方や主張だけではなく多面的に見ていかないといけないと思うし、自分としてはロシア側の視点も重視している。
個人的に最も引っかかるのは、合意を反故にして拡大を続けたNATOと、その存在意義。冷戦が終結したのになぜ残っていて、拡大を続けるのか。それがロシアを煽って緊張を高めてきたことにはならないのか。
ここに一つ、和平を考えるポイントがあるように思う。

自分が参考になった、テレ東の豊島晋作さんの解説動画を載せておきます。
多くの海外と日本の資料をもとに、うまくまとめて説明してくれています。現時点で視聴回数423万回。
早口だけど膨大な情報量を一気にしゃべっていてすごい。この人むちゃ優秀やな(O_O)
地上波の番組ではあまり報じられそうにない濃密な内容なので、とても重要性を感じ、勉強になりました。

ウクライナ人の方々を始めロシア人の方々にとっても、良い解決策が導き出され、双方が安心した暮らしが送れますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?