ピアノ男 / Fakesax (2022)
ソフト音源の管楽器の音というのは、不思議な音だとずっと思っていた。ほかの楽器よりも、再現度が低いように思う。何が違うのかはよく分からない。完璧に再現できているように思うのだが、やっぱり何か違う。
でもそれが良いところでもあって、機械の管楽器の音がかっこいい、良い味を出しているポップソングはたくさんある。
この作品は、そんなソフト音源を「Fake」とはっきり言い切った上で、偽の音源だと割り切っているからこその、サックスとは全然違う音を用いた楽しい音楽になっている。
偽のサックスだけど、やっぱりサックスの音がするなあと思ってしまうのがこれまた不思議。何がこうサックスだと思わせるのだろう。
サクソフォンは、世の中の他の吹奏楽器と比べれば、かなり歴史の浅い楽器だ。でも、こうやって100年くらいのあいだにすっかり定着した楽器となった。偽のサックスの音は、これからどうなるんだろう。もっと改良されて人が吹いた音に近くなるんだろうか。そうなっても、このちょっと素っ頓狂な音は残って欲しい。だってこの音色1個をテーマにミニアルバムができてしまうのだから。多分、人にとって魅力のある音なんだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?