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プロメティウス2 (邂逅・タイムリリース)仮題  R18 2548文字

「やっと諦めさせたことに満足しては、どうです?」


「・・・」


「反省はしていないですが、人生をやり直すのをやめたのです」


雲の影さえもない水晶のように輝く上空の天界、黒髪の少女にヨーゼフとでも呼びたくなる体格にシルバーの髪持つ王侯貴族のような風貌の男が、普通なら喜びに明るさのある表情を持つ年頃の少女の嫌悪を持った表情に、話かけていた
少女は、地上をただただ這いつくばって、項垂れ歩くような男の背中を眺めている


少女は地上を項垂れ歩いている男の娘で、少女がシルバーの髪の男に振り向くと同時に、ふぁんと回りに風が起こり、髪が吹き荒れている
それは当然だ、天界では心象風景が身体にの回りに現れる
ダンプカーに轢かれ、手足が千切れ体は潰された少女は無傷で立っている
そこにいるの死後の、霊体の姿


「自分の子供に、性奥義を噛まそうという気持ちを断念させたのです。自分の子供がダメなら、他所の少女へと、目移りした欲望も発動しなかった。充分な功績です」シルバーの髪の男が、厳かに言う


「噛まそうなんて、随分な言葉ですね」
眉を顰めて言う少女。さっきより3つ、4つ年齢が上に見え、少女と思えぬ程に目がキツイ
また、怒りで男性の風貌も雰囲気も気にならず、怒りの対象の一つとしてみているよう

彼女の周りで、更に風は強く吹き荒れ、男は彼女の風を手で払うと、風は鎮まり、少女に驚かせた


「父親の心情を思うと、丁寧な言葉は使えないので、その事は貴女はわかっているでしょう」


また、少女から風が巻き起こった
自分が父親に、そんな感情を向けられていた事が、父親が自分が許せないのだ

「充分な功績?さっきは、満足しては?って言って、言ってることがわからない
あの父親のせいで何十回も何百回も人生を巻き戻しされ、あの父親の思い込みから逃れるのに、大型の車に轢かれ、自ら死を選ぶしかないなんて!
あの男の血肉を分けられ、血縁関係を結ばされ、優しいお父さんと思って慕っていたものが、自分が思うものと違っていた」


「貴女は、失敗させたのです
   あの父親が、行おうとしたことを」



「だから、言ってることが分からない
何十回も、何百回も人生を繰り返し、その度に父親の子供として家族として、笑い喜び、時には不安も一緒に、歓喜し同調していた事が許せない!!
この気持ち、天使にはわからない。どうして、私があの男の子供なのか、その事も許せない」


「一緒に時を刻み、人生を過ごし、家族として生きてきたから、あの父親に娘の死が可哀想と思う迄になった
娘が非業の死を遂げることで、そう何十回も人生を巻き戻した事で、死の苦しみを与える事を可哀想と思うようになった。父親として、娘の事が可哀想で悲しく罪のある事をしていると気づいた。決着がつかず、永遠に繰り返す可能性の方が高かったのに」


少女のはぁ?と思う憎しみのある顔に、天使は続けた


「貴女の父親は、人間に憐れみを持つようになった、血を分けたと思う娘に、酷い事をしていると思うようになった」

その時、サァッと空気が光り輝いた
此処は、水晶のように輝く天界というのに、一条の光が2人に刺し、回りは陽光を浴び輝く大海の輝く波のような明るさになり、少女は驚いた
天界は水晶ような明るさと思っていたのが、更なる喜びに満ちた輝きを見せられて
この天使の位は?、階層?は思う中、少女はただ黙っていた、また、父親が人間に憐れみを持つようになったが、理解できないでいた
厳かな、明るさの中で


「前迄は、ただ今回も失敗したか!今度もリターンするぞと、ただひたすら私の愛を受ける事なくただ死ぬ娘が可哀想にしか思っていなかった。娘の恋心から生じる気持からなるものを《初体験する事もなく》とただ嘆き、ペニスを入れて娘を振り回したいだけの欲望を抑える事もできずに、自分をの欲望で満たしたいだけでは飽きたらず、娘が慕っている父親の気持ちも、蹂躙する事ことが我糧ワガカテと思っていたのが、娘を死の淵に立たせ悲劇を繰り返すことは、酷いことをしていると思うようになった

あなたの功績です

あの男は、悪魔です
不義理不道徳の罪を自分の邪な気持ちで自分の娘におこなおうとしているのに、自分の子供自身に罪があるように思わせ、逃げ出せない考えを持ち出して洗脳を考えていた。人間の身体を使ってなら、こんな考えで楽しめるぞと、ほくそ笑んでいた。失敗したと思ったが、いいチャンスを貰ったぞとした舐めずりしていた」


「・・・」
懐疑みるような考えが少女に巡る。あの父親は、悪魔が人間に化けたモノ。その娘の私は、悪魔の娘ではないの?そんな事は、冗談ではない。自分が悪魔の血を分けた娘なんて。自分が悪魔の娘だなんて、とてつもなく嫌すぎる!悪魔の血が入っているなんて、そんな事は絶対ない、絶対ない!。自分が悪魔の娘なら、この天国、天使のいる場所にいないはず


「血を分けた娘、自分の血を受け継いだ娘なら、私と同じ嗜好を持っているはずだ
儀式さえ行えば、娘は嗜好に目覚め、堕落した快楽、血を分けた快楽が混じり一緒に畜生として堕ちるのだ、天国から離れたこの地上で、自分が感銘したあの小説の通りの日々が送れる。
地獄ではないのが残念だが、地上と言われる下界で禁断の果実を日々食べる生活が訪れる、歓喜歓喜歓喜と」
怪訝に、男を見ている少女に続ける

「分け与えた遺伝子を持つ、お前にその芽がないとは言わせない。父との儀式を恋を望んでいただろうと、お前は私が好きなのだと、自分に血を分け与えて貰い、長年一緒にいた私が好きなのだと、何故お前が命(肉体)を持った、魂(お前)が生まれてきた思うのだと、小説の文言をそっくりそのまま使う事を楽しみにしていた」



父と手を繋いで歩いていたある日、天啓ように全て悟った。無数の光の矢が天から降り注ぎ、一瞬にして、他人には見えない無数の画像が前後左右に現れ、瞬時に理解した
あの瞬間
なぜ父が優しいのか、冷たい水を被ったようだった。すぐにでも、手を繋いでいる父の手を振り解きたかった。直ぐにでも父の顔を見上げたい気持ちになったけど、自分が今どんな表情をしているか分かり過ぎる程分かって、俯いて下を見て歩くしかなかった


「悪魔が何故、人間に擦り寄るのか、天使に擦り寄るのか、それはさびしいからです」


続く→

プロメティウス3
(邂逅・タイムリリース)仮題


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