名前を言ってはいけないあの人との話_5

あと、生活面も。

彼は独身の頃の行動と変わらなかった。悪い意味で。

お酒や飲み会が好きな人だったので、結婚したから控える、仕事が終わったら早く家に帰る、という思考は無いようだった。

でも私も仕事をしているし、割と忙しかったので、夜ご飯は無理して作らないでいいよなんて言われていたことも、むしろラッキーぐらいに思っていた。

私はお互い自立して生活したいタイプで、それぞれちゃんとやっていればそれでいいと考えていたので、特に気にならなかったし、むしろ束縛されるよりもよっぽど都合が良かった。

料理もあまり得意ではなかったので、勉強する猶予ができて安心した。

そうして、私と彼の考えは結論としてはほぼ一致していたので、独身の頃とあまり変わらない生活を送っていた。

その頃、私の母に結婚生活について聞かれて、特に何も変わらないよとポジティブな意味で答えたのだが、それが実は少し心配だったみたい。結婚生活が独身生活と変わらないのはおかしいんじゃないかと。

でも私のことを尊重してくれていたし、今の時代いろんな形があるのだろうということで、特に強く言われることはなかった。

これはこれで成り立っていると思っていた。