シェア
冷えると思ったら、窓の外は一面の雪景色。 「夜のうちに降ったんだっ」寝間着の上からオー…
夜空が殺風景になってから、もう久しい。見上げても、そこに星は見当たらない。 正確には…
その町では、もう長いこと夕焼けを見た者がないという。 「最後に見たのは、ありゃいつだっ…
恒例の「落ち葉のリサイタル」が今年も開催される。ヒラリー・ハーンの奏でるヴァイオリンの…
夜明けの森で目が醒めた。わたしの脚は、細い木の枝をしっかり掴んでいる。腕だと思って伸ば…
デパートの屋上で開かれているビヤガーデンも、今日が最終日。 中谷美枝子、桑田孝夫、志…
「この辺りですよ、むぅにぃ君」志茂田ともるは、広げた地図を見比べながら言った。「8月20日、15時27分。うむ、あと3分ですね。もう間もなくです」 羊皮紙に書かれたその地図は、見るからに古い。実家の納戸を整理していて、たまたま見つけたのだという。 「ここから虹が生まれるのかぁ」わたしは、高鳴る鼓動を押さえようと、半ば無意識のうち、胸に手を当てていた。 その様子がいつになく敬虔に映ったらしい。 「夢見る乙女、といったふうですよ。あなたらしくもない」志茂田は笑う。 「で、あ
森の向こうの湖に流れ星が落ちた、そんな噂を聞いた。 「なあ、湖に行ってみようぜ。もしか…
昼から降り続けていた雨もすっかり上がり、澄んだ星空が広がっている。久しぶりに公園まで散…